立ち飲みの聖地、赤松酒店
南京町といえば、神戸の有名な観光スポットである。
休日ともなると観光客が、屋台のラーメンや唐揚げを立ったままほおばっている。
街全体が極彩色ハデハデで、レンズやカメラのテストにはもってこいなので、時々撮り歩くが、それ以外はあまり興味が無いというのが地元民の正直な感想。
でもよくここは通る、実は南京町の路地裏に行きつけの立ち飲みがあるからだ。
今となっては少なくなってしまった大箱の立ち飲み「赤松酒店」。
30人以上は入れるだろうか、何もない広々とした立ち飲みである。
平日の夕暮れともなると、サラリーマンでいっぱい。
一人で来て静かに飲む客あり、連れ立って来る客あり、大人数のグループで来る客あり。船員なのだろうか外人客も時々見かける。
休日はお年寄りでいっぱい、競馬のついでに立ち寄ったおじいちゃんや、山登りのグループやら、みなさん昼間から楽しそうに飲んでいらっしゃる。
朝から開いていて、どんなお客さんでも対応できるフトコロの深さがこのお店の魅力なのだろう。
大将に聞いてみたところ、「先代から数えて80年になりますわ」とのこと、大将の代になってからも50年を優に越えているという。これもスゴイ歴史である。
お客さんは長年通う常連客が多く、皆自分の好みの酒を頼み、カウンターの上に置いてあるアテを選んで飲んでいる。
セルフサービスというわけではないのだが、テーブルに陣取った客はお代わりの時、自分でカウンターまでグラスを持ってきて注いでもらうのがほとんど。
アテは乾きものから刺身まで、秋からはおでんも加わって酒飲みがちょっとほしいものはほぼ網羅しているが、凝った料理やヤヤコシイものは一切無い、大衆立ち飲み酒場なのだから当然であるが。
温かい方がいいものは、レンジでチンして出してくれるのだが、以前シュウマイを頼んだら、チンしてくれたのはいいが、熱すぎて醤油をかけたら蒸気のキノコ雲。大将レンジかけ過ぎですがな。(笑)
グルメ系、酒飲み系ブログにはよく登場するお店でありながら、こんな路地にあるとは最初分からなかった。
仕事帰りにちょっと一杯が一番似合う名店である。

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