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2014年9月 4日 (木)

プラスチックの悲しさ

カメラバッグなどカバンの肩ベルトについている長さ調節などの輪っか類はたいていプラスチック製である。フタの留め金も、留め「金」といっておきながらプラスチック製である。
昔は金属製だったものがいつの間にかプラスチック製になっている、それに何の疑問も違和感も無く過ごしているにもかかわらず、プラスチックに対する世間の評価は低い。
例えば何か持ち物が壊れたとする。それが金属製のものだったら、折れたり、ひん曲がったりしていても何とか直せるんじゃないかという未練があるのだが、プラスチック製だと「あっ、コレもうアカンな、新しいの買おか」と新しく購入する方向に話が向かってしまう。
今時のプラスチックである。ある意味金属よりも強く、軽く、錆びず、加工がしやすい丈夫な素材に進化してきたにもかかわらず、初期の頃のすぐ割れたり折れたりする、壊れやすいイメージが世間で定着しているせいで、よく見られない。
カメラなんてその最たるものだろう。金属ボディーや外装カメラのカタログには、マグネシウムボディだのチタン外装などの文字が躍るが、プラスチック製カメラに、わざわざエンジニアリングプラスチックをふんだんに使った軽量ボディーなどとは書かない、どんなに立派なキャッチコピーをつけても、プラスチックというだけで上へは行けないのだ。
昔使っていたキヤノンAE-1は軍艦部がプラスチックにシルバーのメッキを施して金属っぽく見せていて、ずいぶん後になってその事実を知ってショックだったことがある。金属製だとずっと思いこんでいたのだ。
一眼レフの外装にプラスチックというのがまだまだ定着していない時代で、金属製に見えないと売れなかったのだと思う。
その後出たA-1はプラスチック外装でもいいカメラは作れるのだというのを証明してくれた。ブラックボディーのかっこいいカメラだったのである。
長年プラスチック外装のキヤノンT90を使っていたので、プラスチックを悪いとは思わないが、だだモノとしてのオーラは金属製カメラに勝てないなというのが感想だ。

090712_1_17pet35blog神戸三宮/FUJIPET35/半世紀前のプラスチック製カメラで撮ってみた。

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コメント

 プラスチックについての思いは同感です。
出張用ビジネスバッグのベルト接続部がプラスチック製でしたが、1つはJR東京駅ホームで破断し、バッグがホームに落下しました。修理し金属部品に交換しました。
もう一方もJR小倉駅のホームで破断し、落下。
中のパソコンは無事でした。
こちらも修理しました。
 モスクワ空港の免税店にロシア製カメラが多く並んでいました。
1眼レフは機能的には数世代前のペンタックスSPと同じM42マウントでしたが、外観はコンタックスRTSそっくりで素敵でした。
価格も安いので友人の土産に購入しようと思いましたが、ボディがプラスチックで、しかもひび割れていて、購入をあきらめました。
 中古カメラ店でレアなマミヤC220fがありました。
C220を軽量化したものですが、プラスチック部品が割れていました。
軽量化はよいとしても弱い部品に置き換わるのはどうでしょうか。
 プラスチックの問題は強度だけではありません。
可塑材の流出の問題があります。
デザインの良いボールペンを購入しましたが、可塑材が流出して、ベタベタになってしまいました。
同じ現象はシステムノートの人工皮革でも発生しました。
さらにS社のテープレコーダーやN社のパソコンでも発生しました。
ボールペンは安価ですが、テープレコーダやパソコンは工科なのでショックでした。

投稿: Sinmatsu | 2014年9月 4日 (木) 07時19分

プラスチックのダメなところは、使い込んでも味わいが出ないところと経年変化で質が変わってしまうところでしょうか。デスクトップパソコンで日差しの当る所だけ黄色く変色した経験があります。

投稿: よもかめ亭主 | 2014年9月 6日 (土) 08時52分

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