故障品3000円也に賭ける
よく行く中古カメラ屋さんのジャンクコーナーに、ペンF用G.Zuiko Auto-W 20mm F3.5があった。
値札にははっきりと「故障品」の文字、見てみると確かにレンズが真っ白に曇っていてダメダメ状態。やや曇りとかそんな生易しいものでなくて、まさに真っ白。前玉、後ろ玉はどうやらきれいで、後ろから覗いて絞りバネの動作は確認できたので、真ん中あたりのレンズが曇っているようであった。
お値段3000円、立ち飲み2~3回分。故障品とハッキリ書いてあるにしてはお高い、部品取りと割り切るにしても微妙な値段だ。すでに一本同じレンズは持っているし、もし分解して、きれいになればかなりの儲けモノだが、この判断が結構悩ましく、ジャンクカメラ道楽の醍醐味でもあるわけだ。
レンズの曇り以外はかなりきれいな部類の品物だったので、結局買って帰った。直る方に賭けたのである。かえって早速分解、どうやら以前分解された痕跡があったので、やや不安になりつつ問題のレンズにたどり着いた。
レンズクリーナーやレンズカビ取りの技を駆使しつつ拭いてやると、何ときれいになってしまった。組み立て直して早速試写に出かけたのは言うまでもない。
現像上がりのフィルムをライトテーブルでチェックしながら笑いがこみ上げてきた。3000円、安い買い物だ。
ジャンクでこれだけ写れば儲けモン。試写の足どりも軽やかに。で、見つけたのがこのお店、ビルなのに昔の蔵のようなたたずまい、しかしドアとランプは洋風で、喫茶とスナックとカラオケをやっているらしいなんとも不思議なお店、楽しそうな歌声が聞こえてました。
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