撫で回したくなるカメラ
ペットショップで毛むくじゃらの子犬を見ると、思わず抱き上げて撫で回したくなりますね、ほんとカワイイ。子犬じゃなくても犬はカワイイ、実は犬好きなもので。
カメラの場合も思わず撫で回したくなるカメラというのはありますな、私の場合キヤノンNewF-1、マミヤスケッチ、フォクトレンダービトーⅡ、ミノルタオートコード、ゼンザブロニカS2。ブロニカの場合重量級なので、撫で回すにはチョイとばかり腕力がいりますが。
デジタルカメラが一台もエントリーしていないのは、カメラと言うより電化製品に近いからかもしれません、中に歯車とかのいろんなメカニズムが、ぎしぎしと詰まっていて、それが写真を撮るために連動して動いているというメカニカルな美しさを操作していても感じられないところが、まだまだカメラとしては×なわけで。
写真を撮る上ではフィルムカメラより遙かに便利なのは分かっているけど、もっとひと癖もふた癖もあるような、ややこしくて、いかがわしくて、使いにくくて、でも最高の写真が苦労の末にやっと撮れる、そんなデジタルカメラを期待します。(笑)
で、撫で回したくなるカメラ一番手のキヤノンNewF-1、コレはもう若い頃の憧れ、いつかはと思いながら買えなかったカメラでもあります。
私の中では世界で一番美しい一眼レフ、キングオブイチガン。行きつけの中古カメラ屋さんで超美品がデジタルカメラに押されてちょっと悲しい値段ででていたのを買い求めてから半年ぐらいは机の前に飾って帰ってくると撫で回しておりましたな。
シャッター音が超セクシー、タテに構えたりヨコに構えたり、ウラ蓋に鼻の油が付いてはクロスで拭き拭き、おもちゃを買ってもらった子供状態でした。(笑)
二番手マミヤスケッチは手のひらに収まるぐらいのコンパクトボディーでありながら連動距離計搭載、スムーズな巻き上げレバー、マミヤらしい質実剛健な作りの良さ、しかも撮れる写真はタテもヨコもない真四角という撫で回して良し、撮って良しの魅力たっぷりな稼働率ナンバーワンカメラ。いくらあってもまだ欲しくなるカメラでもありますね。
三番手ビトーⅡはクロームメッキがとにかく美しい、フォクトレンダーのカメラってなんであんなにメッキ部分が美しいのでしょう。
撫で回すというより拭き拭きしがいがあるカメラ、デザインも洗練されていて持ち物としてのオーラ出まくりの「舶来モンはやっぱ違うわ」と納得の一台。
四番手ミノルタオートコード、国産二眼レフカメラの最高峰といって過言ではない写りの良さと作りの良さ、このカメラも机の前に飾って毎日撫で回しておりました。
二眼レフはいろいろ手を出しましたが、最終的に残っているのは大衆向けのリコーフレックスとこのオートコードだけになってしまいました、でもコレは手放せません。
ハラキリと言われた焦点調節のノブは使いやすくまさしくミノルタ渾身の名カメラ。
五番手のブロニカS2、50年代のアメ車を思わせるようなクロームメッキのラインがカメラというよりオブジェのような美しさ。写真を撮っている感一番のでかいシャッター音。ギリギリガッコンと巻き上げるのも魅力。
重量級ゆえにさすがに持ち出し率は下がってはいるものの手放したくない一台であります、ニッコールレンズをつけて置いておくだけでもカッコいい。
フィルムカメラってどれも個性的で魅力的なのですが、「撫で回したくなる」基準で見てみるとちょっと違うのですな。
いい写真が撮れる、確実に仕事をしてくれるだけではない、見えない何かがネジで止められた部品の隙間からにじみ出ているとでも言えばいいのでしょうか。こんなカメラたちに囲まれて、さて、明日はどのカメラをお供に連れて行こうかと、撫で回しながら思案しているときが実は一番楽しいのかもしれません。
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コメント
私は高校生でニコンF2を持っていた幸せ者なので
勿論NO1はニコンF2フォトミック、今はオリンパス
メタル6とマミヤM645を交互に持ってお出かけしています。
先日知人からブロニカETRを触らせて貰いましたが
軽くてビックリでした。
あれだとマミヤより扱いやすい?そんな感じを受けました。
M645は500の望遠もありますが重いので中々お出かけの仲間にしてもらえません。
投稿: よこ | 2014年6月20日 (金) 10時59分
よこ様、こんにちは。
ニコンF2を学生時代から使い続けている知り合いがいますが、角という角は全部塗装が剥げて真鍮むき出し、使い込まれたカメラは、もはや神々しささえ感じますね。それだけ使い込まれなで回されたカメラは幸せだと思いました。
ブロニカETRは電池がないと動かないのとニッコールレンズが使えないのとで興味の対象外でした。
投稿: よもかめ亭主 | 2014年6月21日 (土) 13時32分