フィルムカメラの値打ち
数年前のこと、「商売をたたむスタジオが機材を放出するので見に行きませんか。」知り合いの写真家から連絡があって出かけた。
街中の古い写真館でかなり年季の入った設備と機材、成人式や七五三の撮影に使う小道具類などがあった。
専門業者に売却したとしても二束三文、古すぎる設備などは逆に回収代を取られるかもしれない。
ずらり並べたカメラやレンズを見て、充分色をつけた値段で引き取るつもりでその旨を伝え、その日は帰ったのだが、後日連絡があって商談は成立しなかった。
どうやら売却することに対し、周りの親戚たちから横槍が入ったらしい。我々のことを「買い叩きに来た」と勘違いされたみたいで、不本意なのだが仕方が無い。
昔、カメラは高かった。値打ちのあるモノだったのである。しかし、デジタルカメラのせいで、フィルムカメラの値打ちは下がってしまった、使う人も激減した。
そのことを分かってくれない、いまだに値打ちを保ったままだとみんな思っている。
「買ったときは高かったんですよ」、気持ちは分かるけど…
「長年カメラのお世話になってきた我々だから、価値も分かっているし、まだまだ使ってやれるんですけどね」この気持ちは伝わらなかったようである。
明石市東二見 2009 OLYMPUS-PEN EES-2 とある私鉄沿線の駅前で見かけた写真屋さん。もう無くなっているが、POPなイラストが写真の楽しさを伝えていた。カメラも写真も力があった時代、写真屋さんは特別な場所だったように思う。
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