使ってみたいカメラ1・マミヤ35Ⅰ型
大阪心斎橋アメリカ村 2010 MAMIYA35Ⅲ型 残念ながらⅠ型はもっていないので今回はⅢ型で撮った写真を掲載。
レンズのピントリングではなく、フィルム側を前後に動かすことでピントを合わせるバックフォーカシング方式と、カメラとしての完成度の高さで、19年間にわたり、時代のニーズに合わせたモデルチェンジを繰り返しながら40万台が生産されたマミヤ6は日本の中判カメラを代表する名機であるが、このバックフォーカシング方式を35ミリカメラで実現したものがかつてあった、マミヤ35Ⅰ型である。
マミヤにとって初めての35ミリカメラもやはり伝統のバックフォーカシングというところが面白い。写真では見たことがあるが、実物はいまだお目にかかれていない幻のカメラなのである。
どうやらこのカメラの開発に至るきっかけは進駐軍からの要請もあったようだ。
アサヒカメラ1959年4月号の「相談室」というページで、読者からの35ミリバックフォーカシングカメラについての質問に間宮精一氏自身が答えている。
それによると、終戦の翌年の秋に進駐軍に評判だったマミヤ6の35ミリ判を作れと、度々注文をされ、試作品を作ったところ好評で数百台作ったそうだ。ブローニーフィルムのような裏紙のない35ミリフィルムでバックフォーカシングを実現するのは困難だったようだが、その頃自適の生活を送っていた間宮精一氏は、若い技術者たちががんばっているので近い将来発表されるかもしれないという言葉で結んでいる。
マミヤ35Ⅰ型の発売は1949年(昭和24年)、この記事は1959年で10年の開きがあるのに、近い将来発表されるかも、と述べているのはどうにもおかしい。
推測するに、進駐軍の要請で作った数百台がマミヤ35Ⅰ型の全生産台数だったのではないか、そして日本人には売られず、進駐軍のみが商売相手だったのでは。
もしそうなら、現存していることすら貴重なカメラということになる。一度お目にかかりたい、気になる一台なのである。
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