いわくありげなミノルタレポブラック
所用で大阪に出かけたとき行きつけの中古カメラ屋さんで目が合ってしまった。
ミノルタ唯一のハーフサイズカメラミノルタレポ。しかもブラックボディーのものである。
生産台数が少なかったのか、ハーフサイズカメラとしてはなかなかいいものに出会うことが無く、出会っても高すぎて手を出さなかったが欲しかったカメラである。
店先で見せてもらうも、どう見ても前のオーナーが分解したであろう痕跡がそこかしこにあった。お店側もその辺りは分かっているからあえて安い値段設定にしているのだろうがかなり迷うパターン。
レポは気になっていたが今まで状態のいいものを見たことが無かったこともあってダメもとでお持ち帰り。
さっそく子細に調べてみると、シャッターは大丈夫だが、シャッターボタンが時々引っかかる。レンズは比較的きれいで傷もない。はて?どこが悪いのかと裏蓋を開け、ピントチェック用ルーペで見てみると全くピントが合ってない。どうやらマーキングをせずにレンズをはずしてしまい元に戻らなくなってしまったようだ。
ネットで検索して出てきた分解情報や文献を参考にさっそくバラシ開始。
シャッターボタンの引っかかりは根本にある金具の向きを逆にして取り付けていたためで、正しい向きに取り付けてこれは解決。
レンズは前玉を4回転ぐらい回したところらしいということが分かったので取り付けてピントチェック用ルーペでじっくり見ながら無限遠に合わせた。他は特におかしな所がなかったので無理に分解せず作業完了。
このカメラ、シチズンLというプログラムシャッターが露出計と連動しており、レンズ鏡胴のEVリングを回して、露出計の針に追針を合わせることで適正露出になる。
プログラムラインはEV8~12までは絞りとシャッタースピードが連動して直線的に変化、EV12~13ではシャッタースピードだけが速くなり、EV13~16ではシャッタースピード1/125秒固定で、絞りだけが変化するという凝った仕組み。
当時のカメラ雑誌の記事を調べてみると、国産カメラで最初にプログラムシャッター採用し、露出計と連動させたミノルタ ユニオマットのよさをハーフサイズカメラに採り入れたカメラとあった。
デザインは、オリンパスペンを多少は意識したのではないかと思われるが、シンプルで美しい。ブラックボディーはさらにコンパクトに見える。最近のお気に入りの一台である。
和食系のお店らしいのだがよく分からなかった。こういう場面では適正露出になる。
内蔵露出計はセレンの反射光露出計なので朝日が当たって反射しているビルや壁を画面に入れて撮ると全体にアンダーになってしまう。
ダメ元で撮ってみたら意外といけた夜景撮影。イルミネーションが明るければギリギリ撮れるかも。
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