カメラの退化
生き物のカラダというのは、使わない部分は退化するのだそうだ。そうして、環境に適応しながら、必要なところは発達し、そうでない所は無くなったり、退化して小さくなったりして、現在に至っているのが今の地球上の生き物たちということだ。
カメラはどうだろう、露出もピントも何もかもが、カメラ任せできれいに写るように進化して、実に便利になった。シャッターまで笑顔に反応して切ってくれるし、人物の顔は認識してくれるし、撮った写真をイラストにしてくれたり、まさに至れり尽くせりになった。
ただ残念ことに、明らかに退化したなと感じる部分がある。レンズの造りとファインダースクリーンだ。
オートフォーカスになって、誰も手動でピント合わせをしなくなったので、ピントリングはただの飾りも同然のスカスカの輪っかだし、距離目盛と連動していた被写界震度目盛りも退化してしまった(と言うか、無くなってしまった)。おかげで目で見てピントの合う範囲を知ることができなくなってしまった。
ファインダースクリーンは、明るいだけが取り柄のただのガラス板だ、これではピントのヤマ(合ったところ)がつかめない。なんだか写真を撮る上で一番大切なところが「カメラにお任せ」の名のもとに退化してしまったように思えてしまうのはなぜだろう。
上から、フィートとメートル表示がピントリングの距離目盛、その下が被写界震度目盛り、一番下が、絞りリング。真ん中の被写界震度目盛りは黄色い指標をはさんで左右対称に絞り値が目盛られている。この写真では3メートルに距離を合わせて、絞りをF8にしているので、被写界震度目盛りの左右の8の上の距離目盛を読めば、1.5メートルから無限遠までがピント範囲内にあることがすぐに分かる。昔のレンズは、きちんと目盛りが入っていたので、これで距離と絞りの関係を体得したものである。
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