トレンドだって必要だ、フジペットEE
手前がフジペットEE、後ろにぼけて写っているのがフジペット35。
フジペットネタ第二弾は6×6の中判フジペットの二代目フジペットEE。
これの前に35ミリフィルムを使うフジペット35が出ているので機種としては3機種目ということになる。
子供でもカメラの知識が無くても、きちんと真面目にいい写真が撮れる名カメラ初代フジペットに、その頃のカメラ界のトレンドである自動露出(EE)の仕組みを取り入れて1961年(昭和36年)4月発売。
簡素な入門カメラとはいえ、自動露出でさらに使いやすく失敗の無いカメラにしたかった気持ちが、真っ赤なEEのエンブレムに表れている。
レンズ周辺にもELECTROMATICの文字が。初期の電気仕掛けによる露出制御なのだがELECTROMATICは、笑っちゃ悪いがチョッと大げさな気がしなくもないですな。
構造は単純明快、セレンという物質を塗った金属板(初期の太陽電池)がカメラ前面のファインダー周辺部に組み込まれていて、それとメーター(検流計)がつながっている、セレンが受ける光の強さによってメーターの針の振れ方が変化するのを利用して絞りをコントロールする仕組み。
このカメラのすごいのは、メーターの針の下部延長上に勾玉型のスリットの開いた絞り板が直接付けられていて、針の振れ具合がそのまま絞りの口径変化になるというところ。
針には重りが付けられていて、絞り板との微妙なバランスをとっている。
カメラを水平に構えて撮ることが前提ということか。試しにタテで構えると、針の指す位置が変わるので重力の影響を受けているようだ。タテもヨコも無いましかく写真のカメラだから出来た自動露出の仕組みかもしれない。
取扱説明書によると、ファインダーを覗いて右下の赤い露光不足警告マークに針が来ているとき以外はいつでも正しい露光が与えられますからシャッターボタンを押してくださいとある。
むずかしい露光の調節は全部エレクトリックアイ(自動露光判定装置)が自動的に決めてくれますから、あなたはシャッターを押すだけで美しいりっぱな写真が撮影できます。とも書いてある。
時代を感じる文面にこのカメラの真面目さがでていて何だか頼もしい。
撮った写真を見ると、初代と同じ。文句の付けようがない素晴らしい写りで思わずニンマリ。
2010年、マリンピア神戸。取扱説明書によると2メートルから無限遠までピントが合う定焦点カメラとあるので通常の撮影ではまったく問題がないということになる。中判カメラで押せば写るシンプルさなのはこのフジペットEEぐらいかな。
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