重箱の隅つつき歩き
街の写真というと、下町の人々の生活だとか、働く人だとか、街そのものよりも人間寄りの写真がおきまりのパターンとして思い浮かぶのだが、この手のコンテストで入選しそうな写真は、あまり街の写真として見ることができないという気持ちがある。どちらかというとスナップショットかポートレイトのジャンルじゃないのかなと思うのだ。
このブログの写真には、人物が写っていない。写っていたとしても、人物がメインという撮り方はしていない、あくまで人は点景である。その理由は、街そのものが、私には面白いという気持ちがあるからである。
たとえそこに人が写っていなくても、街のたたずまいは、人が作り上げたものなのだから、そこに暮らす人々の人生や、通り過ぎていった歴史が積み重なって、今の形になっているものだという解釈である。
街をうろつき見つけたものや、出くわしたものは、そこに人の姿が無くても、気配というか、見えない存在というものが、宿っているものだと思っているのだ。街のカタチが面白いのだから人物は必要無いと考えるし、街をよく見ることの方が、よほど面白いと思いながら街歩きをしている。
犬も歩けば棒に当たるではないが、いつもこんな風にカメラ片手に街を面白がりながら歩き回っていると、なぜか街の方から「アンタ、これ撮っときなさいヨ」といわんばかりに、素晴らしい景色を提供してくれることがある。街が味方をしてくれるのだ。
ふしぎなことに、そういう時は、その日一日、立て続けにいい景色に出会うことが多い。なぜか景色がよく見えるというか、なんだかテンションが高いまま歩き続け、角を曲がるたびに感動がある。
別に、くまなく探し歩いているわけでもないが、街の方から、この角を曲がりなさいとか、この道は右に行きなさいとか教えてくれているような気がする。あとは導かれるままに撮り歩くだけなのである。
見過ごすような景色だが、もう一本違う角を曲がっていたなら、出会うこともなかった街の景色。まさに一期一会なのである。
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