階段事情
人間は、だいたい一日に何段ぐらいの階段を上り下りしているのだろう。
二階建ての家なら、一日に何往復かはしているだろうし、駅に行けば階段、仕事場でも階段、道を歩けば歩道橋などの階段。まったく階段を上り下りせずに一日を過ごすことはまず不可能である。それだけ生活の中で、無意識に階段を利用しているということになる。
で、その階段をじっくり眺めたことはありますか。たぶん、きっと、まず、間違いなく無いと思う。階段は上ったり下りたりして、目的地へ到達するための手段の一部なので、いちいち階段を愛でたり、階段の渋さを議論したりすることなど無いからね。
もし階段評論家などというヤカラがいたとしたら、よほどの物好きだろうし、当然、階段ソムリエなんてのもいない、いたらちょっと面白いかもと思ってしまったが。
「この階段は、○○原産の△△石を××工務店のマイスターが、腕によりをかけて作り上げた一九九八年ものの逸品でございます。」などと言われたところで、それがどないしてんな世界である。
私は街をうろつき写真に撮るということを面白がっているので、カメラを持っていなければただの不審者、もっと年齢がいったらただの徘徊老人に間違われても仕方がないのだが、カメラがあるおかげで、街中で色々なものを撮っていてもとりあえず怪しまれることはない。
階段のような、普段誰も気にとめないようなものにカメラを向けていても「何しとんねん、このオッサン」ぐらいに思われるだけで、みんな通り過ぎていく。
階段で猫でも寝そべっていたりしたら、動物好きのアマチュアカメラマンぐらいには思ってくれるかもしれないが。
街にある全てのものを面白がるのが基本なので階段だってじっくり見れば結構面白いのだ。
特に歓楽街の階段は面白い。クラブやバーなど、扉の向こうの非日常な空間に誘うため、階段だって半端ではない。電飾ビカビカだったり、真っ赤な絨毯敷き詰めまくりだったり、風俗店のようにいかがわしさプンプンだったり。
上って下りて写真に撮って、いい汗かいたらビールが旨い階段事情なのである。
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