リアルなハナシ
かなり前の話だが、行きつけの酒場でたまたま隣り合った七十代後半のおばあちゃんふたり連れと常連客同士、話が盛り上がって、色々と面白い昔話を聞いたことがある。
かくしゃくとした方で、おばあちゃんという感じのしない方だったのだが、話の内容はまさに年輪を感じさせるものだった。
神戸の有名ミッションスクールの女学生だったそうで、そういう学校は、戦時中率先して軍需工場に工員でかり出されたそうだ。神戸大空襲の日付もはっきり覚えていて、高台にあった自宅は、焼けなかったが空襲で飛ばされてきた瓦礫で、穴だらけになったという。
戦後は勤めるより、遊びたかったので上の学校に進学し、元町や三宮のダンスホールで踊り、ビリヤードをし、ジャズを聴き、ジョージ川口とフランキー堺のドラム合戦に夢中になったという。
モダンといえばモダンだが、考えてみればとんでもない不良お嬢さんだったということである、それだけに話が抜群に面白い。
一度母校の招待で、中学生の後輩達の前で戦時中の話をしたそうだが、皆ちゃんと聞いてくれて嬉しかったと言っていた。そりゃそうだろう、活字や記録映像なんかより、当事者の肉声の方が、はるかにリアリティがあるに決まっている。歴史を語り継ぐことはむずかしいとよく言われるが、ざっくばらんに聞く機会があればいいのではないか。
それにしても貴重な面白い話をたくさん聞けて、有意義な時間であった。
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