キャノネットのアカンところ
距離計連動カメラでありながら、庶民の手が届く価格で一世を風靡し、日本のカメラ史に名を残すカメラ初代キャノネットである。
一週間分の在庫が発売2時間で完売したというエピソードがキヤノンカメラミュージアムに出ている。
そのせいもあってか、ジャンクでもよく見かけるカメラなのだが、いざ分解修理してみようとすると結構てこずるカメラなのだ。てこずりながらも何とか直していざ撮影してみてもカメラにオーラがないというか、使っていてアレ?なカメラなのである。
レンズは明るいのだが特に印象的な写りとは思えなかったし、底部トリガーレバー式の巻き上げは縦位置に構えたときには使いづらく、裏ぶたの開閉もレバーとボタン併用で開けにくく、リターンもボタンで無くレバー式で古臭い。
何より最悪なのがシャッターボタンの感触、トイカメラでももうちょっとマシではないのかというぐらいおもちゃっぽい押し心地でがっかりする。
何でこのカメラが名を残すことになったのかは、結局値段だけだったのかなという気がしてしまう、私にとっては直し甲斐の無かったカメラとして記憶に残った。
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コメント
知人のカメラ修理人にカメラの修理を依頼しました。
その工房にはハッセルブラッド、ライカ、ローライ、ニコンSPなどの名機が修理を持っていました。
その中にこのカメラもあったのです。
高い修理費を払ってこのカメラを修理するの?と思って、これも修理依頼品ですか?と修理人に問い合わせてみました。
彼曰く、依頼者のお父さんは長い間、このカメラでファミリー写真を撮り続けていましたが、先年亡くなられたそうです。
依頼人は想い出の詰まったこのカメラでもう一度ファミリー写真を撮影しようと考えましたが、カメラが故障していることに気づきました。
そのため、ちゃんと修理をして再トライするのだそうです。
いい話にほろりとさせられました。
投稿: Shinmatsu | 2014年8月10日 (日) 08時30分
いい話ですね、家族の歴史を写してきたカメラには高級カメラにはない値打ちや重みがあるということでしょうね。
実は私、LやHやRが頭文字の高級カメラが大嫌い。お父さんが子供の誕生を機に買い求めたような国産ファミリーカメラに強く惹かれます。
投稿: よもかめ亭主 | 2014年8月10日 (日) 13時04分