リコーオートハーフ
ハーフサイズカメラには実に個性的なカメラが多いのだが、このリコーオートハーフぐらい楽しいカメラは無いのではないか。フィルムの巻き上げがゼンマイ仕掛けのすごいヤツである。
すべてがカメラ任せ、なのに写りは抜群にいい。「シャッターだけは押してください」が発売当時のキャッチコピーだった。
同僚からもらったオートハーフSEが私のオートハーフデビューだったのであるが、まるで辻斬りのように街を撮り歩けるのが楽しくて、ゼンマイ巻き巻き、撮りまくった覚えがある。
36枚撮りのフィルムなら72枚撮れるので、まさに見るものすべてにシャッターを切るように撮った。
オートハーフは実にたくさんの機種が発売されていて、さらに輪をかけるように前面パネルのデザイン違いなどもあったのだが、私としては一番最初の機種がシンプルでインパクトもあり、一番かっこいいと思っている。
しかしどういうわけか巡り会わなかったのだ、なかなか程度と値段に納得できるものが見つからずに10年以上経ってしまったのである。
たくさん販売されたカメラである、お金に糸目をつけなければいくらでも見つかる。が、そういうカメラ道楽は邪道だと思っているので(というか、そんな経済力なんてハナからありませんしー。)いつか見つかるだろうぐらいの大らかな気持ちで出会いを待っていた。
今年の正月休みは長かったので、ずっと家に居るのもな~ということで出かけた先で中古カメラ屋さん巡りをしたとき見つけてしまった。
値段はチョット微妙だったので、どうしようかと迷いつつ見せてもらおうとしたのだが、店のおじさんが触りながら首をかしげている。どうやら動きがオカシイらしい。
オートハーフ使いなら皆知っていることだが、フィルムを入れないとシャッターが切れない仕組みになっている。そのため中古屋さんで見せてもらうときには、裏ぶたを開けてフィルムゲートのところにあるスプロケットギアを指で左に送ってやり、明るい方へカメラを向けてシャッターを切り調子を見るのだが、そのギアが動かない、普通は軽く動くのだが。
結局故障品ということで売り物にならないとショーウインドーに戻しかけたのを交渉し、ほとんどタダみたいな値段で売ってもらった。
中古で見かけても凹みやキズのあるものが多い機種だが、外観がとてもきれいだったのでそれだけでも値打ちかなと考えたのである。
で、家に戻って分解清掃してみるとアッサリ動いた。何が悪かったのかは不明、とにかくちゃんと動くのである。
テスト撮影したが写りも動作もモンダイ無し。「コイツは春から縁起がイイわい」な年明けでした。
ま、こんなラッキーもあるという事で。
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コメント
リコーオートハーフの写真が目にとまりました。家にも処分されずに辛うじて残っています。他の楽しいブログも拝見しました。多分同じぐらいの世代だとおもいますが、楽しく見させて頂きました。
投稿: のらくろ二等兵 | 2013年4月 5日 (金) 12時11分
のらくろ二等兵様、当ブログを見ていただきましてありがとうございます。オートハーフは個性的でかっこよく楽しいカメラですよね。ジャンクを探しては直して使っていたのですが、職場や知人のカメラ女子達に見せると「かわい~」とか言って必ず持って行かれました、おかげであまり残っていません。(笑)
ちなみに私は「大阪万博」に小学校の遠足で行った世代です。コメントをありがとうございました、これからもぜひ見に来てください、宜しくお願いいたします。
投稿: よもかめ亭主 | 2013年4月 6日 (土) 08時59分