良く写るってついつい言うね。
カメラ好きの会話によく出てくる言葉で「良く写る」というのがある。
「このカメラ良く写るね」とか「良く写るいいレンズです」など。これがどうにも抽象的で、漠然としていて何をもってして「良く写る」のかが分かりづらいのに、ついつい使ってしまうなんとも便利な言葉なのである。
私なりの感覚で言うと、仕上がった写真を見たときの第一印象で、何がどうと言うのではない、シャープさや色合いや、そこにある空気感とかが、じっくり見なくてもパッと見た瞬間、写真から伝わってくる感じとでもいえばいいのだろうか、すごく瞬間的な感覚なのだけれども。
「このカメラ良く写りますよ」と言われれば、そういうものが表現できているカメラ、思った以上に好ましい写り具合のカメラという意味だ。
例えばネットのレビュー記事では酷評なのに使ってみると自分好みの描写だったり、使い勝手がよかったりといった「期待以上」の場合とか、中古カメラでやっと巡り会ったものの、ややコンディションに難ありの品がちゃんと使えたときの「ハズレじゃないカメラでよかった」という気持ちの現れも含まれている。
期待してなかったカメラで思った以上によく撮れていたときにもよく使う、
「こいつね、意外と良く写るんですよ」。
そういえばヤシカのハーフサイズカメラって持ってなかったよな。で、ジャンクワゴンに転がっていたのを救出したヤシカ ミミィS。メーター不動、貼革ボロボロ、レンズ汚れ、巻上げ硬い。エエとこ無しなカメラ。期待せず撮ってみたらこの写り、元町商店街のこうべまちづくり会館壁面に空の雲が写り込んで抽象画のようだった。
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