中判ましかく、リバーサルフィルムのススメ1
長年の写真カメラファンの方には信じられないことだろうが、フィルムカメラで撮影した後に裏ぶたを平気で開けてしまった若い人がいたそうだ。フィルムを光に当ててはいけないということさえ知らない人たちがすでに現れてきている。
同じくフィルムカメラで感度を変えながら撮った人もいた。「フィルムは途中で感度変えたらアカンで」とアドバイスしても理屈が分かってないから不思議そうな顔をしている。
もはやデジタルカメラのしきたりが彼らのカメラを使う基準になってしまっているということだ。
フィルムを全く使ったことが無い、もしくは知らないという世代が当然ながら徐々に増えている。彼らにとっては写真はデジタルなデータでしかない、手で触れるフィルムが写真だった我々世代とは違うのだ。
更に悪いことに、フィルムに対する執着が無い。「フィルムでないと出ない色があるねん。」などと言ってしがみ付いているおじさんとは違って、そういうこだわりが無いから「楽で、カンタンで、キレイならどっちでもOK」なのだ、さらにデジタルならいろんなことができて、コストは電気代しか掛からないというのも大きい。
生まれたときからずっと不況でしかなかったこの国で育った彼らは、お金の掛かることには振り向いてもくれない。すなわち、もはや完全にフィルム不利な状況。
だが、この先フィルムを使う人を増やすのなら彼らを攻略するしか手は無いと思う。
人生の折り返し地点を過ぎたおじさんがこの先使うフィルム量なんて、たかが知れているからだ。
以前、撮ったフィルムを若い人に見せたところ、中判で撮ったリバーサルの仕上がりに激しく食いついてきてくれたことがある。とても新鮮だったようだ。窓際にかざして「キレイですね~」を連発していた。
写真はパソコンや、タブレット、スマートフォンの画面で見るものだった彼には、6×6センチサイズに閉じ込められた景色が自分の手の中にあるということも含めてフィルムが新鮮だったようだ。
ならば、リバーサル(スライド)フィルムで、中判写真を楽しむというのはどうだろうか。リバーサルならネガと違いそのままで鑑賞できるし、中判ならフィルムサイズが大きいので、充分見られる。
何しろプリクラやケータイ画面より大きいのだから、プリントはしなくても充分楽しめると思う。
フォーマットは6×6センチの正方形をオススメしたい、タテもヨコも無いましかく写真はカメラの構え方も一定だし、120フィルムで12枚、一回の撮影にちょうどいい使い切りサイズだ。しかも手頃な価格の中古カメラがたくさんある。
中判でましかく写真を楽しんでいただきたいと思っているので、具体的なことは次回で。(続く)
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