マミヤスケッチというカメラ
このブログで一番最初に取り上げたかったカメラがこれ、マミヤスケッチである。
発売時期がハーフサイズカメラのベストセラーオリンパスペンとかち合ってしまったためあまり売れなかったカメラのようだが、そのおかげで今では希少価値で中古市場でもほとんど見かけない、見かけてもとんでもない価格で取引されているカメラである。
カメラそのものは、明るいレンズに対応する連動距離計、シンクロ接点、セルフタイマー、レバー巻上げなど当時としては贅沢な内容だったようである。そのあたりの事情は朝日ソノラマからでていた米谷美久著「オリンパスペンの挑戦」という本に記述が詳しい。
結果的にこのカメラの最大の特徴になるのだが、もともとハーフサイズで開発されていたカメラがマーケティング事情で正方形のフォーマットに変更されてしまった。そのせいもあって今となっては35ミリフィルムを使うカメラで正方形の写真が撮れるカメラとして希少性がでてしまったのである。
以前、とある中古カメラ市で9万円近い値段で展示されていたのを見てビックリしたことがある。スペックを考えるとそんなカメラではない。数が少ないことがそのような値段になったのだろうがちょっと気違いじみている。
私の場合このカメラに対して全く知識がないときにある中古カメラ屋さんで見かけ、35ミリフィルムで正方形の写真が撮れることが気に入って買い求めたものである。
実は正方形の写真は大好きなのだ。
その後何年かの間に幸運なことに何台か見つけることができ、現在手元に3台(1台は修理中)を保有しているが質実剛健なマミヤらしい名カメラで、出かけるときに持って出るカメラに迷ったら、取りも直さずコレという感じで稼働率ナンバーワンである。
お気に入りのカメラなので、この先もたびたび登場すると思う。写真上は左がオリジナルの貼革のもの、右がボロボロだった貼革を自分で張り替えたもの。下は長崎で撮ったお風呂屋さん。
このカメラ、合成皮革の貼革が経年変化で痛みやすいようで、ポロポロと剥がれ落ちている固体を何度か見ている。
コレクターならいざ知らず、実用に徹するのなら貼革などお好みのものに張り替えればいいだけなのだが。
マミヤのマークが黒と赤があるのはどういう訳か調べが付かなかった。輸出用と国内用で違いがあるとの記述を何かで見た覚えがあるが確証は無い。
タテもヨコも無いましかく写真が通常の35ミリフィルムで撮れる国産唯一のチャーミングな小型カメラである。
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