2mと5mに、ピントと愛があるのよ。(笑)
被写界深度って、それなりに写真にまみれてこられた方には知ってて当然な用語、漢字で間違いなく書ける言葉かと。もちろん書けるだけじゃダメですよ、意味もきちんと理解していること前提ですからね。(笑)
そもそもレンズって1点にしかピントは合いません。虫メガネで太陽の光を集めて火を点ける実験を思い出していただければ分かりやすいかと。
だけど風景写真などで、手前の草原から遠くの山まで全部にピントが合ってるなんてのを見たことあると思います。何で全部にピントが合ってるのって話、コレが被写界深度のカラクリなわけです。
被写界深度の「深度」って素潜りで何メートル潜れるかなんて場合の深度とは違います、なので海パンも耳栓も必要無い深度。
写真を撮る時に手前から遠くの方まで(被写界)がどれくらいの範囲(深度)でピントが合ってる(パンフォーカス)ように見えるかってことですね。
この性質のおかげでピントが合ってるのは1点だけなのにその前後も、あたかもピントが合ってるように見えるわけで。
さらに焦点距離が短い広角レンズで、絞りを絞り込むほどピントの合う範囲が手前から奥に広くなる性質があります。それを被写界深度って呼んでるわけで、説明するのにああしんど。(笑)
で、長い前振りでしたがここからが本題。オジサン愛用のコンデジ「XF10」にはスナップショットという撮影モードがあります。5mまたは2mに設定できピントと絞りが固定されるモード。
つまりいちいちオートフォーカスでピント合わせをせずに、5mか2mに固定して絞り込むことで、撮るものを被写界深度内に収めてピントがあってるように撮ってしまうわけですな。パンフォーカス撮影なんて言われててオートフォーカスなんて無かった時代にはよく使われた手法。
若い頃24mmレンズを常用してたので、距離を3mに合わせF8に絞ると1.5mから∞までピントが合いました。なのでピント合わせの必要が無く、ファインダーで構図だけ確認しながらサクサク撮れましたよ。
そうそう昔のファミリー向けコンパクトカメラにはカメラを使ったことがない人でも失敗なく撮れるように「人物1人」「人物集合」「山の絵」のマークと言いますかアイコンがレンズに表記してあってそれに合わせるとちゃんと撮れますよってカメラがたくさんありました。
人物1人は約2m、人物集合は約5m、山の絵は10m〜∞という風にセッティングされててそこに合わせればOKな簡便仕様でしたがちゃんと撮れてたわけで。
ハーフサイズカメラのリコーキャディとオリンパスペンSから取り出してミラーレス一眼で使えるように改造したレンズを見ると、どちらも2mと5mは文字の色を変えてあって、回すとそこでカチッと止まるようになってます。
この位置にして絞りをf5.6〜F8ぐらいに絞るとパンフォーカスになってピントバッチリに撮れるわけですな。コンデジのXF10もまさしくこれと同じ仕組みになってます。オートフォーカスが迷うような被写体でもピント固定ですから迷いもなくサクッと撮れますね。
この設定を背面液晶モニターのタッチパネルに割り当てて、指先で2mと5mを切り替えられるようにしています。オートフォーカスが遅くて迷いやすいカメラですが、おかげで軽快に撮り歩けますよ。(笑)
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