食べる、飲む

2017年10月17日 (火)

立ち飲み百景29 思いでの酒場列伝、その2。

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長く続いているのがはっきり分かる、渋い立ち飲みで飲んでいると思うのですけどね、ここは名店だなぁと、来てよかった、この空間で飲んでる事が幸せなひとときだと思います。毎日通う常連さんが必ず何人かいて、いつもの立ち位置でいつものお酒といつものアテを楽しんでらっしゃる、それがそのお店の日常風景なのがいいのですな。初めて訪れてもその空間にとけ込めますからね。
立ち飲みって大きく2種類に分かれると思います。一つは元々酒屋さんで、お店の一角や倉庫を使って一杯飲めるようにしている、いわゆる角打ちというタイプのお店。
お酒のアテは乾きものといわれる柿の種やスルメを中心に缶詰が置いてあったり、6Pチーズやポールウインナー、それにお店のお母さん手作りのポテサラやおでんがあるぐらいで、そんなに種類は多くありません、ちょこっとつまむぐらいのものしかないのですけど、そのかわり酒屋さんなのでお酒の種類だけは豊富なのですな。
純粋にお酒だけを楽しみに来るような方が多くて、何も食べずにひたすら飲んでるなんてお客さんが普通のお店。
もう一つは、やってることは居酒屋と同じ、ただイスを置かずに、立って飲むタイプのお店。なので料理のメニューは豊富で、一人暮らしのお年寄り常連客が飲みながら食べて、それを晩ご飯代わりにしちゃったりしてますな。
メニューが豊富でも美味しくなければ流行らないわけで、その辺り色々思いでのお店がありました。関西では有名なグルメ雑誌のカメラマンの知人に連れて行ってもらってハマってしまった某立ち飲み、帰り道に途中下車しないと行けなかったのですけど、毎日のように通ってましたな。コの字型カウンターとウイスキーの樽をテーブル代わりに置いてある大箱のお店。
とにかくメニューの数が半端じゃなくて、壁一面にメニュー札がびっしり、全メニューを制覇するにはかなり通わなくてはならないお店。お刺身や和食メニューは当然、洋食や中華、韓国系メニューまで、がっつり食べたい方にもお応えできる品揃え、しかもどれも美味しいのでお酒がすすむという。
次から次へと入ってくる注文を、華麗な鍋さばきでどんどん作るご主人を眺めながら、次は何を注文しようか考えるのが楽しかったですな。白いご飯以外は全部有りな名店。
正反対のお店もありました。メニューの数がいっぱいなのは同じ、特に串ものメニューが半端じゃなくて、焼鳥や串カツはもちろん、牛串焼きやホルモン串まで壁一面にお品書きが貼ってあるのですけど、どれを食っても美味しくない業務用冷凍食品ばかりなお店。
注文すると冷凍庫から出してきてレンジでチン、ハイどうぞ。そりゃ確かにこれだけメニューがあっても対応できますわな。何を好き好んでこんなもの食わなきゃならないのって飲みながら怒りがこみ上げるお店でした。
若い夫婦でやっていて、主人の腕がいいのか料理は美味しくて安く、洒落た出し方なのでいつも賑わっていた某立ち飲み、唯一の欠点が夫婦仲が悪くていつも喧嘩しているという。殺伐とした空気感の中で飲むお酒は酸っぱく感じましたな。
料理は美味しいのでよく通いましたが、2年ほどで無くなりました。家庭の事情は酒飲みにはただの迷惑。プロ意識が無かったとしか思えませんな。
楽しく飲むのにいいアテは欠かせません。立ち飲みなのに、ミシュラン三つ星レベルのメニューが豊富なお店はいつもお客さんでいっぱい。酒飲みは旨いアテで飲ませるお店を見つける事に関しては一流ですからね。そんなこんなの酒場の思いで、本日はこの辺で。

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2017年9月28日 (木)

立ち飲み百景28 お酒のメーカーの人って。

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以前よく通っていた、とある立ち飲み。灘の生一本でおなじみ灘五郷の酒蔵の街にあったので、名前を聞いたら誰でも知ってる、日本酒の大手酒造メーカーの従業員の方も頻繁に飲みに来てました。
で、見てて面白いなと思ったのが、どの方も自分たちが造ってるお酒しか飲まないのですな。「オカアサン、とりあえずビールね」とか「大将、生お願い」っていうのが普通と言いますか、ありがちといいますか、最初の一杯はビールで乾杯が一番よく見かける光景なのですけど、誰一人として飲まない。最初から日本酒の冷やをコップ酒でもらって乾杯してるのですな。当然他社のお酒も飲まない、自社のブランドのお酒だけをクイクイと飲んでらっしゃいました。
お店のオカアサンもその辺り心得ていて、「冷やちょうだい」って言われると、A社の方にはA社のお酒、B社の方にはB社のお酒を注ぐという、間違ったら大変な事になりますからね。(笑)
で、自社のお酒だけをひたすら飲んでるのですけど、何なんでしょうね、酒造メーカーの方って皆さんお酒強いし、飲み方がきれいですなぁ。特に女性の方が、コップの底に手を添えて、すぅ~っとお酒を召し上がる姿なんてなんだか妙に色気がありましたな。OLさんのようでしたけど、着物姿だったりしたらもっとドキドキしたかも。
しかも全然酔わずにしゃんとしてらっしゃる。かなりの量を飲んでも乱れることなくお勘定して出て行くのを見てると、オジサンまだまだお酒の修行が足りないかと。あれだけ飲んで次の日仕事大丈夫なのって思いました。オジサンが同じ事したら、次の日の午前中は仕事にならずに死んでると思います。(笑)
お酒メーカーの営業マンも面白い方が多いですな。お酒が強くて話し上手な方が多いかと。営業活動の一環だと思うのですけどね、行きつけの立ち飲みに時々現れる某メーカーの営業マン、扱うお酒の売れ行きのリサーチだったり、新しく出たお酒を置いてもらうためのセールスだったりなのですけど、上司と部下だと思います、二人組で現れて、お酒とアテを頼んで飲みながら営業活動。
お酒のメーカーなのでお仕事で飲むのはOKなのだそう、お店の大将や常連客をお酒にまつわる話題で盛り上げるのが上手、二人で掛け合い漫才みたいな話し方で、酒飲みのハート鷲掴みするという。話し上手なので、そのメーカーのお酒を今度買ってみようかなって気にさせますな。
ひとしきり盛り上げたらお勘定。「あと3軒、回らなあきませんねん」って笑顔で出て行きましたけど、自社のお酒を置てくれているお店をハシゴして笑顔の営業活動って、同じ酒飲みとして羨ましさもありますけど、絶対勤まらないでしょうな。体壊しますよ、タフじゃなければ勤まらないお仕事に頭が下がります。
しばらく見かけてないので、そろそろ現れる頃かも、そんなランデブーが楽しかったりする立ち飲みのひとときなのでありますよ。(笑)

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2017年9月21日 (木)

立ち飲み百景27 思いでの酒場列伝、その1。

今まで行った酒場は数知れず、当然立ち飲みも。最近は気に入った所にしか行かなくなって、新規開拓を怠っておりますけどね、冒険より安定、変化より定番がなじむようになってきているのですな。
新しい酒場はいっぱい出来ているのですけどね、試しに入ってみてもリピートする事がほとんど無くなりました、何となく馴染めなかったり、居心地が悪かったりするのでね。若い人のお店は特にそう、オシャレで明るくきれいで元気がよくて、いい事づくめなのですけどオジサンの居場所が無い。
どちらかというと昭和レトロと言いますか、煤けたようなちょいと古びたお店の方が居心地がいいわけで、お店の大将もオジサンより年輩の方がやっているような年季の入った酒場。
星の数ほどの酒飲みの相手をしてきた、顔に刻まれたシワがそのまま酒場の履歴書のような渋い大将やオカアサンがやっているお店って和みます、入った瞬間の空気でそれが分かるのですな、たとえ初めてのお店であってもココではいいお酒が飲めそうって肌で感じられますからね。
常連のお客さんも年季が入った人ばかり、就職して上司に連れられて来て以来定年を迎えた後も通い詰めているなんてざら、お店にとっては人間国宝のような渋い常連さんと会話を楽しみつつ杯を重ねるというのが至福の時なのでありますよ。
そんなこんなで思い出に残る酒場のアレコレを書いてみようかと。(笑)街歩きで見かけた古い酒屋さん。片隅で立ち飲みしているお年寄りが居たので入ってみました。おばあちゃんひとりでやっていて、アテは柿の種とかスルメのような乾き物しかない小さなお店。
なのに壁にはなぜか「馬刺有ります」のお品書きが一枚だけ貼ってありました。こんな酒屋さんで何で馬刺?気になったので聞いてみたところ、ご主人が生きていた頃にはメニューにあったそうで、他のお品書きは全部はがしてしまったけど、ご主人直筆のこれだけは、はがせなくて残してあるのだそう。「今でも主人と一緒にやってる気になりますねん」の言葉に思わず目頭が熱くなりました。ええ話をアテに飲む昼下がりのビールはいつもよりちょっと苦かったのでした。
夫婦で二つのお店を切り盛りしてて、オカアサンが立ち飲み、その隣でご主人は割烹料理屋、仕入れが一緒なので、割烹料理屋でご主人がさばいた魚が立ち飲みにも安く並ぶというお刺身メニューが半端じゃないお店、にぎり寿司もガラスケースにずらり、開店とともにほぼ満席になるのも当然かと。立ち飲みのアテとは思えないクオリティーの高さに、その頃同僚と毎日のように通ってました、お互いしっかり太りましたよ。(笑)
その反対の立ち飲みもありました。品数は少ないのですけどお刺身も置いているお店、注文して出てきたお刺身が新鮮か古いか、一緒に出てくる醤油皿に盛られたわさびの量で分かるという。
わさびてんこ盛りの時は、刺身がもうヤバイのでしっかり殺菌して食えという大将の暗黙のサイン、腹を壊してもこの店の刺身で当たりましたなんて口が裂けても言うなよって事。ま、その程度でおかしくなるような常連はひとりも居ませんでしたけどね。(笑)
何しろお店も古けりゃ、大将も古い、出てくる物はもっと古いという、あらゆる意味で賞味期限切れを楽しむ立ち飲み、その分激安で千円でベロベロになれるセンベロの店。みなさんお酒でアルコール消毒しながら飲んでました。
書いてていくらでも思い出せるのがオジサンのお酒の履歴書、まだまだあります、その辺りはまたいずれ、本日はこの辺で、お後がよろしいようで。(笑)
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お刺身目当てに、足繁く通っていた頃の写真、今も健在、帰り道じゃなくなったのでご無沙汰していますけど、機会があれば行きたい名店。

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2017年9月14日 (木)

その筋の「すじ」は筋違いの筋の良さだった件。(笑)

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その方面のことを指すときに「その筋」なんて言い方をしますけど、すじと聞いて何を思い浮かべますか。関西だと圧倒的に牛肉のすじ、おでんにお好焼に、そのまま煮込みにしたり、牛すじ文化がありますのでね、すじといえば食欲をそそるビジュアルが目に浮かぶという方が圧倒的かと。(笑)
我が家でもお好焼の際には、家内が必ず前日にすじを炊いています。下処理をしてコンニャクと一緒に甘辛い味付けで炊く「すじこん」。神戸の長田区辺りでは「ぼっかけ」と呼びます。ぼっかけうどんなんかが有名。そのまま食べてもお酒のアテにぴったりなので、いつも多めに炊いてますな。
居酒屋さんでもすぐに出てくるメニューなので、置いてあれば結構注文します。青ネギに七味唐辛子パラパラして食べるとおいしい。味噌で煮込む大阪の「どて焼き」とは違って味付けは醤油なのが特徴。
すじについて調べてみたところ、コンビニが冬場に提供するおでんの具材で全国に広まっていったそう、それまではそんなにポピュラーなものじゃなかったみたい。確かに牛すじって食肉の流通に乗らないような部分でしたからね、言ってみれば捨てる部位、昔はスーパーでは置いてなくて精肉店でしか扱いがなかったですな。
子供の頃、おでんには鯨のコロが必ず入っていたのですけど、鯨がどんどん出世してお高い食材になってしまってから、母親がすじ肉を代わりに入れるようになった記憶があります。いつも弟と争奪戦でした。(笑)
たかがスジ肉ですけど、おでん用に売られている串に刺さったものは筋肉の腱の部分なので、白くて脂肪が少なく、やや堅くてゴムのような弾力があります、それに対して部位ごとに切り分けたときに出る赤身の多いすじ肉は、すじこんにすると美味しいのですな。
この辺りお肉屋さんによって扱いが違うので、結構当たり外れのある部分。煮込んでもなかなか柔らかくなってくれなかったり、ほろほろに柔らかくなってくれたり。同じお肉屋さんで買っても、そのときによって違ったりします。
いつも買うお肉屋さんは、その辺り専門店なので安定供給してくれています、わざわざ電車に乗って買いに行くだけのことはあるかと。
ところが、この間それを越えるいい「すじ」をある筋の方から教えていただいたわけで。行きつけの立ち飲みで最近よく見かけるようになった方、共通の話題で話が弾んで、お目にかかる度に話しかけて下さるのですけど、時々大きな保冷袋を持って現れるのですな。
聞くと某有名ステーキハウスが、裏メニューですじ肉を安く販売してくれているのだそう。いつもあるわけではなくて、入荷したときは看板に小さな張り紙が出るので、それを目当てに買いに行くとの事。
それを聞いて、お店のオカアサンが試しに買ってきたのですけどね、かなり筋のいいすじだったようで、看板メニューのおでんに入れてましたけど、「市場で買うのとちゃう、いつもより高い値段取らんとアカン」と絶賛。
オジサンも張り紙が出ていたときに試しに買って帰ったのですな、さすが名前の通ったステーキハウスのものだけあって、赤身たっぷり、脂身少な目、炊いても目減りしないし、柔らかくてコレは旨いと1kg買ったのが一瞬で無くなりました。もうね、お酒飲める飲める。(笑)
お店としてはメニューとして出せない部位なので、格安で販売してしまえという筋書きに、すじ好きが群がったわけで、それがステーキハウスだけにグレードの高い筋金入りのいいすじだったという。ありがたいですな。
これからはお出かけの際に必ず前を通って張り紙を確認することにします。有名ステーキハウスの筋目の通ったすじ、おでんの季節はこれを入れるのが今から楽しみなオジサンなのでありますよ。(笑)

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2017年9月 7日 (木)

耳を澄ませて、餃子を焼こう。

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餃子って家で作りますか?我が家は割とよく作る方かもしれません。お家で作るとたくさん出来ますからね、いろいろアレンジも出来ますし。多めに作って食べきれない分は冷凍しておけば、中華スープに入れて水餃子にしたり、お鍋の時に入れたり出来るので、スーパーで売っているチルドの餃子を買うよりもお得です。
もちろん外で食べることもありますし、ちょっと欲しい時には餃子専門店で買って帰ることもあります。神戸は餃子専門店が多いのでね、思いつくだけでも元町界隈で8軒ありますな。淡水軒、餃子苑、赤萬、瓢たん、大学、ぼんてん、上海餃子、ふくろ。
専門店以外に中華料理屋さんでも食べられるし、お持ち帰り出来る所もあるので、餃子で不自由する事は無いかと。なのにお家でも作るわけですな、家庭の餃子はまた違う味わいですからね、どちらも美味しい。
中に包む具はオジサンが作りますが、包むのが下手なので、そこは家内にお任せする役割分担が出来ています。包んで貰っている間にタレ作り、酢醤油にラー油だけでなく味噌ダレも、神戸っ子ですからね、コレはずせないところ。
お店で出てくるような本格的なのは無理なので、それに近い感じになるようにいろいろ試行錯誤して落ち着いたのが練りごまと味噌とごま油を混ぜ合わせたもの。これをお好みで酢醤油でのばしてラー油を足します。オジサンは、味噌ダレと酢多め、醤油少な目が好みかな。他にも、酢醤油にラー油の代わりに柚子こしょうを溶いても美味しいですな。
で、そうこうする内に包み終わった餃子を焼くわけですが、ここにコツがあるわけで。まずフライパンにサラダ油を小さじ一杯ほど入れて強火でなじませます。そこに餃子を並べていくわけですな。強火なので並べた先から餃子の底に軽く焦げ目がつきますのでさっさと並べちゃわないといけません。
並べたらコップ半分ほどのお湯を鍋肌から流し込みます。水じゃなくてお湯ね、水だとフライパンの温度が下がってしまいますからね、必ずお湯。注ぐ量も餃子の皮が薄い場合は少な目、厚めの皮だとやや多めに入れます。
注いだらフタをしてすぐ中火に。で、後は放ったらかしておけばいいのですが、ここから耳を澄ませておくのですな。最初ジュウジュウと音がしているのですが、水気が無くなってくるとパチパチと甲高い音に変わります。そうすると焼き上がり一歩手前。
フタを取ってごま油を少量かけて底をパリッとさせるわけですな。水分が抜けて底がパリッとすると、フライパンを持って揺すると、勝手に剥がれてくれます。コレで出来上がり。
フライパンにお皿を伏せて落とし込み、そのままフライパンごとひっくり返せば焼き目が上になった餃子がお皿に並びます、至福の瞬間。きれいに焼けた餃子は見た目だけですでにご馳走。

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これだけでも成り立ちますが、サイドメニューに蒸し鶏とスープも作って、ピータンも用意する事も、ビールもいいですが紹興酒だとなおイイですな。何だか書いてて食べたくなってきました、週末は餃子に決まり。南京町に行くと色々な種類の皮が売っていますのでね、そこから餃子作りがスタートするわけですな。(笑)

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2017年8月31日 (木)

立ち飲み百景26 愚痴もお酒もこぼしたらアウト。

ガチャン、あ~やってもうた。
せっかく注いでくれたお酒を、コップごと転かしてしまってカウンターは酒浸し、こぼれたお酒で足下に置いたカバンもビトビト。慌ててお店のおばちゃんの差し出す布巾でその場を取り繕うようにこぼれたお酒を拭きまくっても回りからは冷たい視線が集中します。酒飲みが酒をこぼすなんてあるまじき事、おっさん酒飲みの素人かとこの場に居られなくなるような冷たい視線を回りのお客さんから浴びせられるわけですな。
どんなに酔っぱらって、手元足下がおぼつかなくなっていても、コップのすり切れいっぱいに注がれて表面張力でやや盛り上がっている状態のコップから一滴もこぼすことなく口に運ぶのは酒飲みならではの特技、見てても見事に口に運びますな。こぼすなんて事がまず無い。
なのに話が盛り上がったりして、手振り身振りで大風呂敷の会話をしているときに何の間違いかコップごと転かしてしまうという大失態をしでかしてしまうという。
楽しい酒飲みタイムが一挙に暗転、お店のおばちゃんの「このアホが」という視線はまだ耐えられます。年がら年中そんなお客さんを相手にしているベテランですからね。涼しい顔で「お代わりどうします?」って何事もなかったようにその場を立て直す救いの手をさしのべてくれますのでね。黙ってコップを差し出せば事無きを得られます。
ところが周りの同類の酒飲みからは冷たい視線がビンビン来ます。「あ~あやってもうた」「せっかくの酒を無駄にしやがって」「はしゃぎたいのやったら外行けや」って無言だけどはっきり感じる声に居場所がなくなるという。
お代わりで注いでもらったお酒は鉛の水、会話も弾まずただただ反省のお酒になってしまうのですな。居心地の悪さに早々に退場、しばらく現れませんな。(笑)
お酒ならぬ愚痴をこぼすのも度を超すとアウト。大抵は仕事がらみのイヤな事やひどい目に遭った事。それを誰かに聞いてもらいたくて、世間話からどんどん軌道を逸脱、最後は愚痴三昧になってしまうという。
ひどい目に遭った当の本人は、完全に被害者意識の固まりになっているので、聞かされる方はただの大迷惑。お店の大将「大変ですな~」と生返事しながら他の仕事を始めて取り合わないという。(笑)
まだ誰かに愚痴をこぼすのはマシな方かもしれません。見ててヤバイのが、一人でブツブツ言いながら出来上がってしまっている人。時々カウンターを「どん」なんて叩いて、コップを握りしめたまま「バカにしやがって」とか呟かれたらちょっと怖い、見ると完全に目が据わってしまってます。
いったい何があったのか分かりませんけど、そこまで行くと立っているのもやっとな様子。「これぐらいにしときなはれ」って帰りを促すと間違いなく「最後にもう一杯くれっ」ってゴネるのは分かっているので大将も見て見ぬ振りをしています。
そのうち限界が来て帰っちゃうのですけどね、あちこちにぶつかりながら、もうフラフラで出て行きますな。転倒でもしたら事ですからね、お店の常連さん気になってみんな無事出て行くまで見守っているという。
お酒も愚痴もこぼしたらアウト、酒飲みの免許返上の憂き目を見ます。同じこぼすのなら、美味しいお酒と楽しい会話で笑顔をこぼしたいものですな。(笑)

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2017年8月17日 (木)

フライデーはフライで一杯。

日々仕事が忙しいと、金曜日になるとホッとします。今日一日乗り切れば楽しい休日が扉を開けて待ってますのでね。なんだか年々一週間を乗り切るのに必死で、金曜日が待ち遠しくなってますな。職場の女子も、遊びに行くのでしょうか、彼氏とデートなのでしょうか、金曜日はオシャレして来てたりします。
せっかくの金曜日、みんな早く帰りたいですからね、昼からの仕事はなぜか巻き巻き、「月曜、朝一で納品ヨロシク」なんて、空気読まないお客さんの丸投げ仕事もサクサク消化、グダグダやって残業なんてのは避けたいですから、どいつもこいつも、いつもより動きがいい。その働きぶり、普段も見せてくれんかねって心の中で叫んでおりますけど。(笑)
で、終わった終わったで帰るわけですけど、ついつい酒場方面へ寄り道をしてしまうのがオジサンのいつものパターン、もちろんおひとり様、気兼ねなく一杯のお酒を楽しみたいですからね。今の季節だとまだ日が長いので、ほんの少しの時間ですけど写真を撮ったりも出来ますので単独行動なのですな。
デジタルだと感度を上げれば、暗くなってからも撮れますけど、そこまでガッツリ撮り歩く気はないわけで。ぶらぶらフィルムカメラで手ぶれ限界の明るさまで撮ったら終了。楽しい酒場タイムの始まり始まり。(笑)
いつもの行きつけの立ち飲みもいいのですけどね、週末は違うお店も楽しいのですな。で、立ち寄り率がなぜか高いのが串カツ屋さん。職場の近所にも、いつもの寄り道エリアにも何軒かあります。少し前に偶然見つけたのが高架下にある間口の狭いカウンターだけの串カツ屋さん。いつの間にこんなお店が出来たのか知りませんでしたけど、旨くて安くて、お店の雰囲気も良くて、写真散歩の後にちょうどいい感じが気に入ったわけで。
他にも串カツのお店はあるのですけど、チェーン店はオジサンがひとりでまったりするのには、余り居心地がいいとは言えないのですな。制服着た店員のマニュアル通りの受け答えなんて酒の肴にもなりませんからね。
このお店で文字通りフライデーにフライで一杯。見ているとお持ち帰りで串カツを買っていくお客さんが結構います。今時はお家で揚げ物ってしなくなってますからね。もちろん揚げたてが一番美味しいので、いくつか串カツをいただいて、軽く飲んだら飲んだらサヨナラ。
ほろ酔いでお店を後にして、電車の中で休日の計画を考えるのが楽しかったりします。揚げ物で気分も上げ上げで帰るオジサンの週末。明日のカメラはどれにしようか考えている内に寝てしまって乗り過ごしてしまうのも、いつもの景色なのですけどね。(笑)
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2017年8月 8日 (火)

立ち飲み百景25 マッスルでハッスル

休日におじゃまする行きつけの立ち飲み。競馬ファンの常連さんがほとんどのお店なので、いつもの顔ぶれが競馬新聞片手にテレビの画面に釘付けになっています。競馬が終わる時間帯になると一人、また一人とお愛想して出ていくというのがいつもの景色。
ところが休日なので、見かけた事のない一見さんのお客さんがふらりと入ってくる事が時々あるのですな。それでお店の中が盛り上がったりするのが楽しいわけで。
以前、若い女性の二人連れがいきなり「イイですか」って入ってきたことがありました。二人ともかなりの美人、常連のおじいさんたちとは、同じ日本人でありながら、明らかに骨格の作りが違う今時のスラリとしたお嬢さん。何でこんな所にって思いましたけどね、今時はネットで何でも調べられる時代、立ち飲みが好きなのだそうで、それで調べて来たみたい。
美人相手だとお店の大将も対応が違います。「え~っと、こちらがおでんで、串カツはこちらのガラスケースの中見て言ってね、それと小鉢物はこっちに色々」なんてメニューの説明してましたな。
常連客から「対応ちゃうやんけ、わしら説明してもろた事無いゾ」って突っ込まれても「当店は常連に冷たい店ですので」って笑顔の塩対応。
美人がいるだけでお店の中が明るくなりますな、お店のオカアサン「エロジジイばっかり、鼻の下伸ばして何しとんねん」って突っ込んでましたけど。(笑)
ある日の事、飲んでるとお店の外から中をうかがうカップルが。何度か行ったり来たりした後に入ってきたのですけど、すごく体格のいい二人。スポーツ選手かなと思ったのですけど、聞いてみるとボディービルダー。背が高いし、姿勢がいいし、筋肉モリモリだし、顔立ちもさわやかな美男美女。男性は40代前半ぐらい、女性は20代後半ぐらいに見えたのですが、なんと男性はオジサンと一つ違いだったという。体を鍛えているとこんなに若々しく見えるのですね、ショック。
鍛えるという言葉が人生の辞書から削除どころか元々無かったオジサンの、骨格標本に皮を張り付けたような貧相な体とは全然別物でした、二の腕なんてオジサンの太腿の倍ぐらいありましたからね。服の上からでも、おなかの筋肉が見事に割れているのが分かりました。
女性の方も48歳だって、え~ウソでしょ~、常連たちからどよめきが。顔を見ても小じわ一つありませんけど。(笑)
ボディービルダーって日焼けして、オイル塗ったテカテカの体で色んなポーズ付けて胸の筋肉ピクピクさせている人って思ってたのですけど、どうやらそういうものだけじゃないみたい、認識を新たにしましたな。
気さくな二人だったので、お店の中は体を鍛える話で盛り上がり、にわかに健康的な立ち飲みになってしまったという。
隣のおっさんも急にビール瓶上げたり下げたりしてましたな、そんなもんダンベル代わりにしてどうするの、アンタは体より先に脳みそ鍛えなさいドアホ。(笑)
さわやかに現れて、さわやかに飲み食いして、さわやかにおしゃべりして、「また来ますね」ってさわやかに去っていったボディービルダーのカップル。思わぬ珍客が立ち飲みを楽しくしてしまう事もあるというオハナシでした。
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2017年7月25日 (火)

土用の鰻は、専門店で。

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先週、夏に楽しむアテについて書きましたけど、鰻は登場しませんでした。お高いのでね、手軽に楽しむという感じではないのですな。スーパーで並んでいるのを見ても、結構いい値段してますからね。
なので、高いのなら買ってきたのをお家で食べるより、専門のお店できちんと食べる方が満足度が高いのじゃないかという事で、我が家では夏に一度だけ奮発してお店に食べに行くようになりました、ひと夏の贅沢。(笑)
鰻屋さんって店構えが立派なところが多いので、何となく入りにくい感じがするのですけどね、この季節は違いますな。お昼時は行列ができてるお店も。
路地には食欲をそそる、鰻の焼ける匂いが充満して行列客の食欲を逆撫でしています。今日は鰻を食べるぞって胃袋がスタンバイしているところに、この匂いですからね。もう値段がどうのこうのじゃないのですな、早く鰻を食わせてくれって、必死の顔で皆さん並んでおりますな。(笑)
オジサンのいつものお散歩エリア元町界隈には、何故か狭い範囲に4軒の鰻屋さんがあります。なのでお店選びには事欠かないのがいいところ。三宮だともっとお高い専門店もあるようですけどね、行った事がありませんな、名前しか聞いたことがありませんよ。(笑)
ある土曜日、家内が「今年も鰻食べに行かへん?」と言ってきたので、散歩がてら「行きましょか」。
鰻重や鰻丼って見た目よりもボリュームがあるので、それに合わせて朝食は軽めに、心と胃袋の準備が必要ですからね、何しろ年に一度の贅沢、万全の体調で鰻を迎えなくてはなりません。(笑)
で、カメラはミノルタオートコードをチョイス。オイオイ、鰻食べるのに何でカメラ選んでるのっておっしゃる方も多いかと思いますけどね、ここ重要。
鰻でお腹いっぱいになったら動き回れませんからね。中判6×6の12枚撮りぐらいが、腹ごなしのお散歩にはちょうどいいのですな。のんびり歩きながら撮って、ちょうど終わるぐらいの枚数がスマートかと。
カメラも選びました、お腹の具合もちょっと空いてきたかなぐらいのベストな状態でいざお出かけ。4軒のお店の中から、今年は「青柳」さんに。場所は元北通り、駅から近くてオジサン行きつけの立ち飲みの並びを西に行った所、「幸せの黄色いカレー」って記事で掲載した中華料理の香美園さんの真向かいにある老舗の鰻屋さん。
たたずまいもお店の中も渋くて、ランチメニューの鰻定食が1500円とリーズナブルなのが嬉しいですな、ちなみに鰻丼は1300円。
お昼時なので混んでましたけど、ちょうど前のお客さんと入れ違いですんなり座れたのでラッキーでした。家族でやっているお店のようで、ひっきりなしに入ってくるお客さんにちょっとドタバタしてましたけど。
座るとお膳がセットされて、吸い物や小鉢が並んでいきます。調理場の横で炭火で焼かれる鰻を眺めながら、待つことしばしで鰻重が登場。
ぱっと見た目は小さく感じるのですけどね、うまいうまいと食べている内にだんだんお腹いっぱいになってくるのですな、見た目以上にしっかりボリュームがあります、お腹ぱんぱん。(笑)焼きたての鰻は美味しいですからね、何だかわしわし食べてしまいましたな。
夏のプチ贅沢、やっぱり専門のお店で食べる鰻は格別、本日7月25日は土用の丑、皆さんもいかがですか。
えっ、ミノルタオートコードで写真は撮ったのかって?もちろん撮りましたよ。だけど二眼レフは失敗だったかも。前屈みでファインダーを覗くのは、お腹いっぱいの時は苦しいのがよくわかりました。(笑)

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2017年7月20日 (木)

夏に楽しむアテの色々。

行きつけの酒場で、この季節一番人気なのが冷や奴。安いのに一丁丸ごとのビッグサイズなので人気があるのですな。
水を張ったタライごと業務用冷蔵庫で冷やしてあって、注文するとそこからすくって出してくれるので、見た目も涼しそうでついつい注文してしまうという定番のアテ。ネギとショウガを乗せてハイどうぞ、後はお好みで。
醤油かけたり、ポン酢だったり、七味振りかけたり皆さん自分の楽しみ方で食べてます。若いお客さんがマヨネーズかけてって言ってましたな、旨いの?その食べ方。ま、人それぞれですのでね。(笑)
その季節にしか味わえなかったり、その季節だからいつもよりおいしい食べ物って色々ありますけど、それとお酒を結びつけるのは酒飲みならでは。焼き肉みたいに年がら年中あるものとは違って季節を肴に酒を飲みたいわけで。
半夏生(はんげしょう)という季節の言葉があります。夏至から11日目、7月2日ぐらいを指すのですが、この時期ぐらいからたこがたくさん穫れておいしくなるので、関西では割となじみなのですな。土用の丑と同じような感じかと。
地元兵庫県では明石だこが有名ですが、たこが穫れる事を「たこが湧く」という言い方をします。行きつけの立ち飲みの大将は釣りが趣味なので、この季節になると「そろそろ湧いてきたから、来週辺りたこ釣りに行ってくるわ」なんて言ってますな。
明石海峡の海流の速い所にいる明石だこは、流されないように踏ん張っているので筋肉質で身が締まっています。この食感が大好きなので、大将の釣って来たたこがメニューに並ぶと必ず注文、茹で加減も絶妙なので、たこでばっかり飲んでます、でもぜんぜん飽きないのですな。(笑)
川津えびの唐揚げもおいしい。元気でピンピンしているのをビニール袋に小麦粉と一緒に入れて振ると、暴れ回って勝手に粉まみれになってくれるので、それを油に投入。揚げたてにレモン搾って食べるといくらでも飲めます。(笑)

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オバケ(上の写真)に酢味噌をかけたのも夏のアテ。オバケって若い人は知らないかもしれませんが、漢字で書くと尾羽毛、さらし鯨の事なのですな。味わいなんてありません、酢味噌の味で食感だけを楽しむアテ、だけど美味しいのですな、分かる人にしか通じない味わいなのですけどね、オジサンは好物。
夏は焼き穴子もはずせません。買うと大抵タレが付いてくるのですが、必要ないですな。お刺身と同じように、わさび醤油で食べる方が実は美味しいのですよ。
何だか海の幸ばかりになってしまいましたけど、野菜もちゃんと食べてます、茄子の煮浸しや焼き茄子、オクラに鰹節と醤油かけたのは夏の定番、プリプリの冷やしトマトの輪切りをお皿に並べてオリーブオイルと岩塩に粒胡椒ガリガリもいいですなぁ。
季節の物をアテにお酒を飲むって幸せ。休日の献立を考えるだけでワクワクしますな。

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