ハーフサイズカメラ

2016年12月25日 (日)

年の瀬あれこれ。

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この季節になると、仕事は徐々に落ち着いてくるのですが、それ以外の事が忙しくなってきて、結局バタバタしたままの年の瀬って事になりますな。学習能力ゼロというか、毎年同じ事の繰り返しな年の瀬、でも何だかそういうのも楽しかったりします。
まず飲み会のお誘いが増えますな、何時も飲んじゃってるので、何を今更な感がありますが、誘う方も誘われる方も、年の瀬で何となく仕事に余裕が出てきて「じゃぁチョット一杯」って事になります。行くお店も飲むお酒も何時もと同じで変わり映えしないのに、年の瀬だともう少しで正月休みなので何だか楽しいのですな。で、何時も以上に飲んじゃって、何時も通りのクルクルパー、でも幸せなのでこれもありかと。(笑)お家に帰って怒られるのも何時も通りなのですけどね。
せわしない中でもカメラを持って出掛けると何だか楽しいのも年の瀬。街の賑わいに触発されて撮ってしまいます。人混みは嫌いですが賑わいってイイですな、何となくテンション上がりますよ、何を撮ってもいい感じに撮れるような気がしますしね、クリスマスに、迎春に、ショーウインドーの飾り付けのひとつひとつがそそります。
こうなると中判カメラでじっくりより、辻斬りのように撮り歩けるカメラの方が気分に合いますな、モータードライブ付き一眼レフに、広角の単焦点レンズだけの潔い選択も楽しいかと思いますが、ここはちょいとばかりひねりを利かせてみたいところ。で、オジサンがチョイスしたのはリコーオートハーフ。ゼンンマイドライブで街を速写、年の瀬の風景を全部撮り尽くす気分で歩きながらパシャパシャするのが楽しいかと。
オリンパスペンEEシリーズもいいですが、このせわしさとシンクロ出来るカメラはオートハーフしかないのではないかと思いますね。実際撮ってて気分がいいですからね、ちょっとスポーツ感覚で年の瀬の街を切り撮るのにピッタリ。ISO400ぐらいの高感度フィルムを入れておけば商店街のアーケードでもノープロブレム。パシパシ撮れますよ。
レンズはシャープで、ハーフサイズカメラの中では広角寄りだし、持ってて楽しいし、年の瀬の街を隅々まで歩き回って撮るのにオートハーフは最適。
フィルム一本72コマ撮り切ったら本日終了でいつもの酒場へ。心なしかお酒がおいしく感じますねって、結局飲んじゃうわけですけどね。(笑)

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2016年10月22日 (土)

ハーフサイズカメラでハーフじゃない写真を。

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フィルムの種類はどんどん少なくなっておりますが、今時のフィルムって昔に比べてすごく高性能だと思うのですな。高感度フィルムもざらつきが少ないですし、感度100の常用カラーフィルムは発色も粒状性も安定していて、安心して使えます。
カメラとレンズの性能が高くなるにつれて、フィルムの性能の要求も上がっていったわけで、昔のカメラ雑誌を見ていると、フィルムと言えばコダックやアグファだった時代に、富士フイルム、サクラカラーが真っ向勝負、高感度、高性能なフィルムの開発にしのぎを削っていたのが見て取れます。
サクラは後にコニカになり、さらにコニカミノルタになってカメラもフィルムももう作っていませんが、「SHINBI」は好きなフィルムでしたな。
フィルムを使っていて、どうしても気になるのが粒状性。オジサンは昔、押入れを暗室にしてモノクロの現像、引き伸ばしをしていたので特にその辺りに敏感、大きく伸ばすとよく分かりますからね。感度400のトライXが主流だったときもあえて感度100のネオパンSSを使ってましたな。後にACROSに変わりました。
今時の感度400のフィルムって昔の感度100並の粒状性、それだけでもフィルムの性能って高くなったな~と思いますね。ま、ダメダメな写り具合を楽しむフィルムもありますけど、それは異端児。高性能フィルムがいつでも買えるこの時代、後はカメラの性能と腕が試されているとも言えるわけで。

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で、ここからが本題、何度か書いておりますが、まだフィルムの性能も今ほど高くなかった時代のカメラに、今時のフィルムを入れると予想外のカメラの素性が分かったりして面白いのですな。
例えばモノクロフィルムしかなかった時代のカメラにカラーフィルムを入れて撮ってみると、特定の色合いに偏ったり、以外と原色の発色が派手だったり、コントラストが高くなったりその反対だったりします。シャープさや解像度重視で設計されているのですから当然ですが、経験からいくと、意外とどのカメラもよく写ると思いましたな。基本的な性能が高いってことでしょうね。

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古いカメラの中でも、高性能フィルムのおかげでカメラの評価を見直していただきたいと思っているのがハーフサイズカメラ。もうね、はっきり出ますよ。ハーフサイズカメラがブームだった頃、オリンパスペンに続けとばかり、各社からたくさんのカメラが発売されましたが、いいカメラもあれば、あわてて開発したようなカメラもあったわけで、その辺りの違いがハッキリと出るのですな。とても大伸ばしに耐えられないようなレンズ性能のカメラもありました。どこのカメラとは言いませんけどね。(笑)
ぶっちぎりでその凄さを再認識するのが、オリンパスペンシリーズとリコーオートハーフシリーズ、ハーフサイズカメラはこの2台があればもう他はいらない。(笑)
オリンパスペンのEシリーズなんて、押すだけでこの写りってビビりますからね。ハーフサイズだから写りもそれなりなんて高を括っているといきなり顔面にストレートパンチ炸裂。カメラに対する認識変わって、防湿庫の中でもセンターポジションに飾りたくなりますな。もう全然ハーフじゃない、低感度のリバーサルフィルムを詰めて気合いを入れて撮りたくなります。
ハーフサイズなので36枚撮りフィルムで72枚撮れるのも経済的。今時の高性能フィルムで、カメラの本当の実力が身にしみて分かるハーフサイズを楽しむのはいかがでしょうか。

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今回の写真、1番目はRICOH AUTO HALF SE、2番めがRICOH AUTO HALF ZF、3番めがOLYMPUS-PEN EE-3、4番目がOLYMPUS-PEN EE-2で撮影したもの。

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2016年9月29日 (木)

キヤノンデミを絞り優先で使うには。(要露出計)

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個性的なカメラがたくさん揃っているハーフサイズカメラの中でも、ひときわかっこいいのがキヤノンデミ初代。貼革が赤、青、白のカラーバージョンも発売されていましたな、コレってトリコロールカラー、名前といいどこかフランスを意識していたのかも。確かにフランス車のような雰囲気があるデザインだなぁと、オジサン勝手に思ってますけどね。(笑)
で、オジサンが持っているのは青い貼革のモノ。セレンの反応が悪くて、100均で買ってきたソーラー電卓の太陽電池と交換して修理したのですな。あのころは修理に凝ってましたからね、いろいろやりましたよ、楽しかったな~。
ま、とりあえずネガフィルムで撮る分には大丈夫になったキヤノンデミ、ボディ上部のメーター窓の針に追針が重なるようにレンズのリングを回してシャッターを押せばOKの、カメラにお任せなプログラムシャッター機。
レンズのリングを回してフラッシュマークに合わせると、シャッタースピードが1/30秒に固定されるので絞りで調整して撮影することもできます。この時代のカメラってフラッシュマークに合わせるとシャッタースピードが固定になるものが多いので、セレンやメーターがダメダメなカメラでも、そのほかの部分が大丈夫なら何とか使うことができますな。メーター故障だとジャンクで格安で手に入りますしね。レンズがきれいなら十分使ってやれるかと。
話がそれました、以前も書いたのですが、露出計があればデミは絞り優先で使えます。フラッシュマークに合わせて1/30秒に固定されるよりは面白く使えるのじゃないかなと思うのですな。
デミはLV8~LV17の範囲でシャッターと絞りの組み合わせが決められています。LVってライトバリューのこと、あるシャッタースピードと絞りの組み合わせで露光される量を表すのですな。露出計だとEV(エクスポージャーバリュー)って表示しているので置き換えてもらえばいいかと。LVに感度を加味したものなので、光の量を数値で表しているところは同じですのでね。
で、仕様によると1/30、F2.8(LV8)~1/250、F22(LV17)の範囲でシャッターと絞りの組み合わせが変化します。LV(EV)8はF2.8、9.5はF4、11はF5.6、12.5はF8、14はF11、15.5はF16、17はF22、つまり露出計を持ってればEV値を測れるので、絞り優先で使えるわけですな。
手順は、露出計をEVモードにして測り、その値に対応した絞り値に絞りレバーが来るように、レンズのリングを回して設定して撮影となります。ちょいとばかり面倒くさいですが、それも楽しんでしまうぐらい、ゆったりと撮ればいいかと。(笑)
LV(EV)値を絞り値に換算する表を持ち歩かなくてはなりませんが、オジサンはラベルプリンターで作ってデミのボディーに貼り付けてます。これなら忘れることがありませんのでね。持ち歩いてて気分がいい、オシャレなデミ。イレギュラーな使い方ですが、こんなのも有りかなと。いかがでしょうか。

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2016年8月 6日 (土)

ペンFの交換レンズを愛でる。

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今時のデジタル一眼レフのレンズって、ズームレンズが主流なので、どれもデカいでしょ。明るい大口径のレンズなんて、中判カメラ用のレンズかと思うぐらいデカい。
ミラーレスや、マイクロフォーサーズのような小型のデジタルカメラは、それに比べれば小さい方ですけどね、それでも今時のレンズはオートフォーカスやら、メーカーによっては手ぶれ補正の仕組みを内蔵しなくてはならないのでどれも胴が太いですな。
「太いのだぁ~い好き」って方には何も言いませんけどね、にぎにぎして伸ばしたり縮めたりして快楽に浸ってくださいね。(笑)
さて、ここから本題、ペンFのレンズのお話。ハーフサイズ唯一の一眼レフ、ペンFはカメラだけでなく、システムとしての充実ぶりも半端じゃなかったのですな。オリンパスの本気度が感じられます。当時の広告を見るとレンズやアクセサリー類がずらりと並んでいる写真が出てきます。一眼レフですから当然の事ながら、どんな場面にでも対応できるようにレンズも充実してました。

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で、このレンズがイケマセン。もうね、可愛くてね、ハーフサイズですから、35ミリフルサイズの一眼レフ用交換レンズと比べて、はるかに小さい。でもちゃんと一眼レフの交換レンズなので必要なものは全部同じように付いてる。まるでレンズのミニチュアのようなところが可愛すぎるのですな。
机の上に並べて、ニンマリしてしまうという。ついつい意味もなくレンズ交換なんかしてしまって、ヘンタイ遊びに夢中になってしまうわけですな。家内も気色悪がって、近づいてきませんよ。でもオジサンは幸せ。今日のストレス、グッドバイ。(笑)
カメラボディーと広角、標準、望遠の3本のレンズで全方位撮影OKなセットでも、実にコンパクト。次のお出かけ用に、小さなカメラバッグに財布と露出計とフィルムと老眼鏡と一緒に、入れたり出したりして、きれいに収まると何だかウレシイ。
持ち上げてみて「おっ、軽い軽い」なんて事を夜中にやってしまうので「エエ加減に寝なさい」って叱られちゃうわけで。
これが、EOS 5D MarkIIに広角、標準、望遠のズームだと、近所のバス停まで歩いた時点で、やや後悔。電車に乗って目的地に着いて、歩き出して10分もしない内に帰りたくなりますな。ヘタレオジサンは重いカメラも、ごつい荷物も、夏の暑さも全部ダメダメ。(笑)

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ペンFの交換レンズを見てみると、以外と広角系が弱いのですな、レンズ設計の技術的なことも背景にあるのですが、20ミリF3.5と25ミリが解放F値2.8と4の2本しかありません。
ハーフサイズは焦点距離×1.4で35ミリ換算になるのでそれぞれ28ミリと35ミリ相当になりますね、今の感覚から行くと、広角と言うにはちょっと寂しいラインナップですが、当時としてはこれが限界。ペンFを使い始めると間違いなく欲しくなって探し回ることになりますな。作られた数が多いのか、以外と有るところには有るので気長に探せば見つかりますけどね。
広角、標準、望遠レンズが揃うと、ちょっとマニアックなパンケーキレンズやマクロレンズが気になり出すのですが、これは止めておいた方がいいですな、お値段バカ高くて完全にコレクターの世界、レンズ集めに奔走して写真撮るのが疎かになってしまってはイケマセン、ペンFが泣きますよ。
中古カメラ屋さんに並んでいるペンFに一番良く付いているのが38ミリF1.8の標準、ド定番のレンズなのですけどね、実はこれが意外と一番活躍してくれるのですな。解放F値が1.8なので、35ミリよりぼけにくいハーフサイズでも背景ぼかしたりしやすいですし、広角風、望遠風と変幻自在に撮れる使い勝手のいいレンズ。
オジサンが今までペンFで撮った写真を見てもこのレンズで撮っているのが圧倒的に多かったりします。(笑)
よく、物事は○○に始まり、○○に終わるなんて言いますが、ペンFのレンズラインナップの中ではこのレンズがそうじゃないかと思いますね。
ペンFを使い出すとひしひしと感じられる、小さなカメラバッグに一眼レフのシステムが丸ごと入っている幸せ。可愛い交換レンズは「交歓レンズ」か「好感レンズ」なのかも知れませんね。(笑)

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今回街で撮ってきた3枚の写真はすべてノートリミングで掲載しました。なので黒い縁が付いています。フィルムはフジフィルムのベルビア100。レンズは上から順に38mm F1.8、25mm F4、50-90mm F3.5です。一枚目の38ミリ標準レンズで撮ったものの方が、二枚目の25ミリ広角レンズで撮ったものより広角っぽいでしょ。標準レンズはこういうところが面白いのですな。常にボディーに付けっぱなしにしておきたいレンズ。

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2016年7月31日 (日)

見せてもらおうかお前の実力とやらを、オリンパスペンS

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日本のカメラ史に残る名カメラ、オリンパスペン。ハーフサイズ好きにとって避けては通れないカメラでありますな。
ペンのことを知るのに、朝日ソノラマ刊、クラシックカメラ選書26「オリンパスペンの挑戦」という本がありました。設計者の米谷美久氏自らが語るペン誕生の回顧録。若き新米設計者が夢のカメラ実現に向けて奔走する姿が浮かび上がる究極のペン本。戦う技術者のお話っていいですな、理工系のオジサンは何度も読み返して感動しておりますよ。
で、感動しておきながら、持っているのは初代ペンじゃなくて、2代目のペンSだという。ま、この辺りはコレクターやマニアじゃない「撮るのが好き」なオジサンとしては、写真を撮る道具としての完成度が高い2代目にひかれるのは当然かと。(笑)
オジサンのペンSは、行きつけの中古カメラ屋さんに委託品で並んでいたもの。どういう保管をされていたのか結構薄汚れていて、低速シャッターが不安定、霞がかかったようなファインダーに、レンズもきれいで無かったのですけどね、値段に負けてお持ち帰り。
その頃はカメラ修理にはまっていたので、ネットのバラし記事などを参考に、徹底的にキレイにしたら蘇りました。直したカメラを飾っておくのはコレクター。オジサンはもう一度壊れるまで使ってあげたい「天寿全うこそカメラの幸せ」だと思う人。なので当然ながら使いまくりましたな。

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リバーサルフィルムで撮って、ライトボックスの上で小さなコマがずらりと並んでいるのを見るのが楽しくてね、ストレスも吹っ飛びますよ。ルーペで拡大して見ては「お~」って歓声上げてました。家人からはヘンタイ扱い。(笑)
ところがオジサンのイケナイところは、カメラが増えてしまって、使う順番が新しく見つけてきたカメラ優先になってしまうという。気が付けばペンSは完全にベンチウォーマー。防湿庫の中で、でかいマミヤ6の後ろに隠れて泣いてました。イケマセンな、米谷さんに叱られますよ。

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で、久々に持ち出してみました。どこかのアニメの名台詞じゃないですが「見せてもらおうか、お前の実力とやらを。」ってわけで、せっかくだから、そのポテンシャルを引き出してやろうとフィルムはリバーサルのベルビア50をチョイス。
ハーフサイズなのでね、フォーマットが小さい分大延ばしの際は不利になりますから、できるだけ粒子の細かい低感度フィルムを使ってやろうかと。
レンズが一番実力を発揮できるF5.6~F11辺りで撮ることを考えても、晴れの日中なら手ぶれしないシャッタースピードで撮れますから感度50で問題なしということで、お洒落な雑貨屋さんが並ぶ元町乙仲通りを撮り歩いてみました。
一応まじめに撮影データもメモしましたけどね、晴れの日中ですから、日の当たる場所で125分の1、F8半から11、日陰になったところで60分の1、F5.6とセオリーどおりの露出、ほぼこの二つでOKでした。露出計で測っても同じ値、日差しが一定なら露出も一定、カメラの内蔵露出計のように向けるものでコロコロ変わったりしませんからね。
後はこの値に自分の味付けをするわけで。完全マニュアル露出のペンSってホント楽しいですな。炎天下を西から東へ撮り歩き、ちょうどお店のとぎれる辺りでフィルム一本撮り終えて、オジサンの体力も終わりました、全部で77コマ撮れてましたな。
後はお楽しみの串カツで一杯、ビール、うぐうぐプハ~でペンSにお疲れさん。久々に充実した一日でありましたよ。(笑)

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2016年7月24日 (日)

終り(尾張)じゃなくて三河の国で再就職、ペンF。

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カメラのポートレイトを撮るために、引っ張り出してきたカメラたちを見ながら、使ってやれないままになっていることに、ゴメンネ、ゴメンネと涙してしまったオジサン。
節操もなくお持ち帰りしてしまった結果がこれなのですな。カメラは使ってこそ華、カビ防止剤を枕に寝かして置くものではありません。ワインじゃないんだからね。というわけで再就職先を探してやらなくてはなりません。で、防湿庫のカメラたちの会話です。
「聞きました、ブロニカ親分の活躍ぶり。」
「北の大地でブイブイ言わしてはるそうですな。ここまでシャッター音聞こえますで。(笑)」
「エエとこ行かはりましたわ、神戸におったかてご主人の撮るもんゆうたら、看板やら、転けたゴミ箱やら、しょーもないモンばっかりやからねぇ。やっぱり押しの強いカメラやから、北の大地がよう似合ってますわ。」
「おかげで防湿庫の中、がら~んとしてしもて、ちょっと寂しいですなぁ。」
「最近ご主人、カメラのポートレイトに凝ってはりますやろ。ブロニカ親分退いた分、防湿庫の中、配置換えやゆうて、カメラ出して並べてはりましたけど、2台以上あるカメラ見つめて、黙り込んでましたな。」
「やっぱり。そう言うたら、最近ペンシリーズが出たり入ったりしてますけど。ご主人やたらメール打ってるし。」
「スクープ、スクープ。ペンFさん、再就職先が決まったらしいですわ。」
「えっ、まさかペンFさん。信じられへ~ん、あれですな、ご主人のお気に入りや言うても2台以上あるカメラは、うかうかしてられませんな。」
「ご主人、気に入ったカメラは必ずもう一台探してはりましたもん。」
「そんなん言わんとって下さい、私ら兄弟どうなりますのん。」
「時間の問題かもしれへんね。よろしいやんアンタら、さんざん可愛がってもろて、再就職先まで探してもらえんねんから。私らデジカメは、あきませんわ、こき使われても、ご主人の愛は有りませんもん、写真の撮れる便利な道具ですわ、EOS Kiss X7さんなんて残業100時間超えてまっせ。休ましてもらわれへん言うて泣いてますがな。」
「いっそのこと、壊れてしもたら楽になれるのに、見た目以上に丈夫やからねぇ。」
「あ、ペンFさん点検終わって戻って来はりましたで。」
「アンタ、どこ行くことになったん?」
「三河の国やて、フィルムカメラファンでガンガン写真撮ってはる人らしいですわ。私、この通り見た目がイケてますやろ。行った先で、ひとりだけカッコよすぎて浮いてまわへんかと心配してますねん。」
「よぉ言いますわ、腹立つやっちゃなぁ。三河言うたら徳川家康の所領ですやん。栄転でっせ、エエ仕事せなあきませんな。」
「同じモン二本持ってる交換レンズと、ペンE、Dシリーズのどれかもお供になるらしいですわ。」
「ペンはいっぱい持ってはるからねぇ。ご主人のことやから当然オマケ付けはるんやろねぇ。」
と、あるカメラの方を皆一斉に向く。
「ヤメテ、ヤメテ、何で私の方見ますのん。プチプチで包まれてオマケって書かれて旅立ちなんて恥ずかしいですやん。」
「アンタしか考えられへんわ。結構エエ仕事が待ってるかも知れませんで。」
「ご主人、プチプチと箱、用意し始めましたで、お別れの時がきましたな、寂しなるけど新しい所で活躍して下さいね。」
「みなさん今までありがとう。この防湿庫の中は居心地良かったですわ。それでは、さようなら、新天地でブイブイ言わせてきますわ。」
かくしてペンFはお供を引き連れ旅立っていきました。オジサンの所でいつ来るか分からない出番を待っているより絶対幸せ、言葉の違う土地で関西のノリとツッコミでいい仕事をしていただきたいと願っておりますよ。

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2016年5月14日 (土)

ひと味違うハーフサイズを楽しむのならペンF

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デジタルカメラで名前が同じペンFが出たのでややこしくなってますが、オジサンが書くのはフィルムカメラのペンFのこと。デジタルのペンFで検索かけて見に来てくださった方に、紛らわしいと思われなくないのでね、最初に書いておきますよ。
ハーフサイズカメラは押せば写る簡単操作の誰でも手軽に使えるモノがほとんどなのですけど、いやいやそんなカメラばっかりじゃ、ハーフサイズファンは増えないし、もっとじっくり写真を撮りたい、ハーフサイズだから簡便で妥協したくないってところから発売されたのがペンF。ハーフサイズ唯一の一眼レフカメラ。レンズやアクセサリー類も充実していて、システム一眼レフとしてオリンパスの本気溢れるカメラなのですな。
もうね、素直に美しい。それでいながら、中身は独創性の固まりみたいなメカニズムがぎっしり詰まっているのですな。横向きに配置したミラーボックスからプリズムを使ってファインダーへ導くアイデアや円盤を回転させるロータリーシャッターなど、どこも真似が出来ない仕組みが満載なのに使い勝手は実に快適という。
手にすると分かるのですが、構えて右手側が少し長いのですな。つまりカメラのセンターからレンズが少し横にずれていて、構える右手側に余裕があるので実に構えやすいわけで。
ハーフサイズなので水平に構えると写真はタテ位置になります。タテ位置大好きなオジサンにはこの辺りも使いやすくて気に入っているのですが、タテにカメラを構えてもホールドしやすいのはデザインが秀逸だからだと思いますね。

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初代ペンFは「F」の装飾文字が全面に晴れがましく刻印されていて、シリーズの中ではひときわ美しいのですが、フィルム巻き上げにレバーを2回操作しないといけないのですな、ここがちょっと煩わしいところ。二代目のペンFTは、その辺りが改善されて一回の巻き上げになりました。代わりに装飾文字が無くなってセルフタイマーのレバーが付いてます、ちょっと残念な部分、装飾文字はどこかに残して欲しかった。
プロの修理屋さんのブログを見ていると、初代と二代目は中身が別物ぐらい違うそうですな、良くなかったところを改善して完成度が上がったという事でしょう。実用で使うなら二代目が良いかと。もう一つ二代目ペンFTから内蔵露出計を無くしたペンFVもあります。コチラの方がファインダーが明るいそうですが、持ってないので分かりません。

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いずれにせよ、ペンFシリーズに手を染めると、間違いなくレンズ探しに走り回ることになりますな、オジサンはそうでした。(笑)
しっかり走り回ったおかげで、常用レンズは一通りキープ。ハーフサイズなので交換レンズも小さくて可愛いのがイケマセン。机の上にレンズ並べて、とっかえひっかえしながらニンマリしてしまうという、オタクというかヘンタイになってしまうこと請け合い。(笑)
一眼レフなのにカメラとレンズ数本を持ち歩いても負担になりません。小さなカメラバッグにシステム一式入っているというのが何だか嬉しい、重さもハーフサイズな、颯爽と街歩きを楽しめるペンFシリーズ。ハーフサイズ好きの最終到達点カメラと言ってもよろしいかと。

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2016年4月 2日 (土)

防湿庫より宝石箱が似合うフジカミニ。

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家内の手の平に乗せてこの大きさ。ブラックボディーにシルバーの貼革(輸出仕様は貼革もブラック)、レンズ横の絞りレバーにガラス玉ですが宝石があしらってあるのが分かるかと。カメラのデザインとしてはかなり翔んでいたと言えますね。調べてみますと、設計は甲南カメラ研究所の西村雅貴所長、デザインは東京芸術大学の田中芳郎教授。あの名カメラフジペットの設計デザインコンビだそう。

星の数ほどあるカメラの中で、ある意味尖っているカメラが、このフジカミニ。「男の人には使わしたらへ~ん」なオーラ出まくりの女子カメラ。
別に男の人が使っても全然構わないのですけどね、まず似合わないでしょうな。おじさんは全く似合いません、カメラがかわいそう、なのに持っているという不思議。
最初中古カメラ屋さんで目にしたとき、余りの小ささに特殊なフィルムを使うカメラだろうと勝手に思い込んでおりました。普通の35ミリフィルムを使うハーフサイズカメラなのにそう見えなかったわけで。その頃は古いカメラの知識も乏しかったせいもあるのですが、その後ハーフサイズカメラにハマってしまってから気になりだしたのですな。
今ではややコレクターズアイテムな位置付けのカメラなので、キレイなものは高価で手が出ず、我が家に輿入れするまで時間が掛かりましたが、修理前提で手頃なものを何とか見つけることが出来ました。
カメラそのものの性能を見てみると、正直なところ大したことはありません。シャッタースピードは1/125秒のみ、ピントは固定焦点、セレンによる露出計の指針を、装填しているフィルムの感度表示に合わせると適正露出になるという実にシンプルで操作するところがほとんど無い。ハッキリ言ってこのカメラの魅力は見た目がほとんどと言っていいかと。ま、そこが普通のカメラと全然違っていて、女子向けに尖っていると言える部分なのですな。
まず感度表示が宝石に見立てたガラス玉をあしらってあります、ISO25はルビー(ピンク)、ISO50はサファイア(青)、ISO100はトパーズ(黄)、ISO200はペリドット(緑)カメラの表示を宝石に置き換えてしまおうというところがすでに、カメライコール写真やメカ好きな男の人の持ち物、という当時の一般の認識を覆しておりますね。どう見ても女子向き、この発想は誰も思いつかなかったでしょうな。レンズについている露出を調整するレバー(実は絞りリング)にも宝石があしらわれて、女子力満載。

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このカメラ女性が買い求めたのでしょうか、それとも女性へのプレゼントに男性が買い求めたのでしょうか。手持ちの古いカメラ雑誌に発売当時の広告が出ていないか調べましたが見つかりませんでした。広告を調べるとカメラの位置付けが分かるのですけどね、謎のままです。
ネックストラップは銀色のチェーン、ドレス姿の女性の胸元に似合いそうですな。オジサンがするとケータイぶら下げてるようにしか見えませんが。
フジカミニのもう一つの特徴はフィルムの巻き上げ。レバー操作やダイヤルを摘んで回すのでもない、カメラの巻き上げダイヤルのある側の上下を指で摘んでボディー全体をぐる~りと回すという、言葉で上手く説明しにくいのですが、今までお目に掛かったことがなかった方式。これはきっと小さなボディーに巻き上げ機構を組み込めなかったのではなくて、爪の長い女性でも確実に操作できるように考えれられたのではないかと、引っかかる部分が全くありませんからね。
レンズはFUJINAR-K 25mm F2.8、ハーフサイズカメラの中では広角のレンズ、固定焦点なので被写界深度の深いレンズでピント合わせしなくてもいいように考えられたのでしょう。ただ、パーティーなど室内だと絞れないので高感度フィルムを使う方がいいかと。
カメラ操作のややこしい部分を無くして女性でも手軽に写真を撮ってもらいたかったフィルムメーカーの意気込みが尖っているフジカミニ、もうこんなカメラは出てこないのでしょうね。

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2016年3月 5日 (土)

目立たない優等生、リコーキャディ(RICOH CADDY)

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その昔、オリンパスペンの快進撃でハーフサイズの大ブームが起こりました。他社も当然追従、メーカー各社こぞってハーフサイズカメラを発売してきたので、巷に溢れかえることに。
先陣を切ったオリンパスペンの出来があまりにも良かったので、他社もそれを越えるものをと考えたのかどうか分かりませんが、ハーフサイズカメラには実に個性的なものが多いのも特徴だと思いますね。
おかげでオジサンはいろいろ楽しんでおりますよ、楽しすぎるカメラの宝庫、ハーフサイズカメラだけで生きていけるかも。(笑)

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そんなハーフサイズカメラの中にあって、実に地味というか、影が薄いというか、昔の演歌に出てくる日陰の女のような、とっても目立たないカメラが今回取り上げるリコーキャディ(1961年発売)。オジサンが勝手にそう思っているだけかもしれませんけどね。でも地味なんですよホント。ハーフサイズブームに乗り遅れまいと、あわてて発売したのではないかと思えるほど没個性。(笑)
後から出てきた弟分のリコーオートハーフ(1962年発売)は、タバコの箱ほどの大きさに未来的なデザインでゼンマイドライブの自動巻き上げと内蔵露出計によるEE機構搭載と、登場したときからスポットライト浴びまくりの仕事は出来るわ、誰からも可愛がられるわのイケメンぶり。
わずか一年違いで何でこんなに差があるのってぐらい、可哀想なお兄さん。オジサンはですね1961年生まれでおまけに長男、リコーキャディーが他人のように思えないのですな。中古カメラ屋さんのジャンクワゴンで見つけるとついつい救出したくなってしまうという。
で、仕事できない君なのかというと、全くそんなことはありません、オジサンも同じです。ただ見た目がちょっとイケてないだけ。(笑)
レンズは弟分と同じRICOH 25mm F2.8なのでとてもシャープです。これでハーフサイズ?って必ず驚くほどいい仕事します。なのに評価が低いのはあまりにもオーソドックスなカメラスタイルなせいかもしれません。オートハーフと比べると普通のカメラにしか見えない訳で。今となってはそれがかえってレトロ感があってなかなか良いと思うのですが、当時は受けなかっただろうなぁ。(笑)

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(写真上)露出計のライトバリュー値をレンズ付け根のリングに設定する方式。(写真下)裏側はファインダーと露出計のダイヤル、ボディー下部に巻き上げダイヤル。巻き戻しダイヤルは写真のように使用時ポップアップします。そっけないぐらいシンプルなデザイン。

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露出計を内蔵しているのに連動してないところも時代遅れ感があったのかもしれません。単なる添え物、露出を測ってその数値をいちいちレンズに設定してやらないといけないのですな。使い勝手はあまりよろしくないかと。しかも中古カメラ屋さんで見かけるのは大抵ここがダメなせいでジャンクワゴン送りになっていて悲しい値段付けられて泣いてます、他は何ともないのに。
オジサンが持っている2台も立ち飲み一回分ぐらいで救出してきたもの。どちらも当然のように露出計は動きませんでしたが、マニュアル露出で撮るのなら全く問題ないどころか実は使いやすかったりします。普段単体露出計を持ち歩いているので全く問題なし。
レンズの出っ張りが少なくてカメラバッグにも収まりが良いし、コートのポケットにも余裕で入ります。ハーフサイズだけど極端に小さいわけではないので構えやすくて手ぶれもしにくい。

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カメラ底部からレンズを見ると、シャッタースピードと絞りのリングが分かりやすいかと。

ピントは目測ですがレンズがちょっと広角なので絞って撮れば深度内に収まります、ハーフサイズカメラで純粋に写真を楽しむのなら持ってて損はない一台だと思うのですが。
目立たないけどこんな優等生カメラもあるって事で、紹介させていただきました。でも地味すぎて、中古カメラ屋さんで目の前に飾ってあっても気が付かないかも。(笑)

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2016年2月 7日 (日)

昔の名前で出ています、デジタルなペンF。

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かつてオリンパスペンFというハーフサイズ一眼レフの名機がありました。天才設計者米谷美久さんの創意工夫だらけの独創性の塊のようなカメラ、当時としては画期的と言っていい斬新なメカニズムと未来的なデザインでありながら、使い勝手もよく考えられた日本のカメラ史に輝く素晴らしいカメラでした。
一眼レフカメラというのは大抵、トンガリ帽子のようにペンタプリズムの部分が飛び出ています、それが誰が見ても分かる特徴でもあるのですが、ペンFはその出っ張りがないのですな。トップカバー上にはペンシリーズの特徴である長方形のシャッターボタンとフィルムカウンター、巻き上げクランクしかないというシンプルでフラットなデザイン、何の知識もなく、初めて使わせてもらった時、一眼レフだとは知らずファインダーを覗いて驚きました。
35ミリ一眼レフをそのまま小型化したのでは、何の魅力もないカメラになってしまうので、ハーフサイズならではの一眼レフにしなくてはならないと、今までにはなかったアプローチの仕方でまとめ上げたというのが「オリンパス・ペン」の挑戦(米谷美久著、朝日ソノラマ、クラシックカメラ選書26)に出ています。
これを読むとペンFがいかにすごいカメラだったかがよく分かるのですな。創意工夫がぎっしり詰まっているのにそれを感じさせない抜群の使い勝手、交換レンズはどれもシャープでよく写ります、一度使うと完全にハマること請け合い、しばらく他のカメラの出番が無くなりますな。
オジサンもどっぷりハマりました、間違いなくレンズ探して中古カメラ屋さんを駆けずり回ることになります。美しすぎるカメラはそれだけで罪、ハーフサイズファンが最後に堕ちていく沼と言っても過言ではないかと。でもなぜか幸せ。(笑)
で、先月末オリンパスからデジカメのペンシリーズの新しい機種が2月26日に発売になると言うニュースを見ました。名前を見てビックリしましたな、「ペンF」だって。あの名機と全く同じ名前を冠する最上位機種だそうです。
その製品写真を見たとき、色んなことを考えてしまいましたな。フィルムカメラのペンFをご存じ、もしくは使ったことのある方なら同じ思いを抱かれるのではないかと。すでにブログでも書かれている方がおられますし、やはりそこは、この新しいデジタルなペンFについてひとこと言わざるを得ないと言うか、語らずにおられない部分なのでありますよ。
フィルムカメラのペンFは前述の通りトップカバーにはほとんどなにもない未来的なデザインが特徴だったのですが、今度発表になったデジタルなペンFは、これでもかなダイヤルやレバーだらけのデザイン、オリンパスでは「時代を超えた美しいデザイン」と言っているそうですが…。なんだかフルーツがいっぱい乗ったショートケーキみたい。
確かにクラシックなテイストにまとめたのは分かりますが、デジタルになるとペンFはこうなっちゃうのか~と言うのが正直な印象。昔のペンFを知っているオジサンにとっては、嫌いではないですがこれがペンF?何でこうなるの?と言う気持ちが心の片隅にうずくまっているのですな。どう受け止めればいいのかと。
ニコンDfにせよ、富士フイルムのX-T1、X-T10にせよ、往年のフィルムカメラのようにダイヤルで操作するデジカメは人気があります。古くからのカメラファンなら、小さなボタンをプチプチ押してメニューを呼び出したり、タッチパネルを押したりするより直感的に使えて見ただけで分かりますからね。
ただペンFにそれを持ち込んでしまったのはどうなのかと製品写真を見ながら考え込んでしまったわけで。
このペンF、たぶん間違いなく売れるとは思います。デジタルなペンシリーズで初めてファインダーを内蔵してますし、その他のスペックも最上位機種にふさわしい内容だと思いましたのでね。ただ、このカメラと昔のペンFを並べてみたとき、どっちが斬新なカメラに見えるのかなと、昔の名前で出てきた新しいカメラに思ったのでした。

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