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2016年5月15日 (日)

立ち飲み百景8 たかが立ち飲みされど立ち飲み

小さな頃、母親に連れられて買い物に行くと、市場の中の酒屋さんで、おじさんたちが立ったままお酒を飲んでいる姿をよく見かけました。
「勉強せえへんかったら、あんな風になるねんで」と昼間から飲んでいる酒飲みたちに偏見を持っていた母の教えは、世の中の右も左も分からない幼かったオジサンの中で、立ち飲み=ダメなオトナがお酒を飲む処として刷り込まれたわけで。教育って恐ろしいですな。
時は流れてあれから半世紀。今、立って飲んでいます。母も落涙する立派なダメダメオトナになりました。(笑)年月はオジサンを立ち飲みが似合う酒飲みにしてしまったわけですな。確かに勉強しませんでしたしね、当然の成り行きといいましょうか。(笑)
初めて立ち飲みに行ったのはいつだったか、今となっては記憶も定かではありませんが、仕事帰りに通る道筋に、いつも夕方になるとお客さんでぎっしりの立ち飲みがあって、少しばかり気になっていたのでふらりと入ったのが最初だったような。
物事は最初の印象って大切ですな、その時の居心地の良さがそのまま立ち飲みファンになっていくきっかけだったのではないかと思えますね。
小さなお店で騒がしいグループ客なんて居ない、ほぼおひとり様のお客さんばかり。ひとりで来て静かに飲んで短時間で去っていく、お酒2杯にアテひとつ、1000円札一枚でお釣りがくるぐらいで楽しんで、さよならまた明日。
静かだけれど活気があって、隣のお客さんとの取り留めのない世間話に盛り上がり、混んできたら譲り合い。お酒に飲まれることも、崩れることもない酒飲みのベテランが集う場所、それが立ち飲みの印象でした。
オジサンは気に入ったお店に通い続けてしまう癖があるので、仕事帰りにチョット一杯を重ねている内に常連客に昇格。お店に入ると自動的にお酒が用意されるようになりました。(笑)
いつものお酒に、いつもの顔ぶれ、定番のアテで飲むもよし、季節のアテを楽しむもよし、テレビのナイター中継にツッコミ入れながら、次の日には忘れてしまっているような馬鹿話で静かに盛り上がるという、小一時間の心のリフレッシュ。
来ている顔ぶれも実に様々、話し上手な方、聞き上手な方、ず~っと文句ばっかり言ってる方、無言の方…。仕事の話なんて誰もしません、そんなのは会社のロッカーに仕舞って、お酒と時間を楽しみに来ている方たちばかり。年輩の方やお年寄りが圧倒的に多いですが、若い立ち飲みファンもちらほら、父親ぐらいの歳の方と一緒になって飲んでます。
立ち飲みというのは、その店の暗黙のルールというのがあるものなのですが、初めて来てそれが分からないお客さんに世話を焼きたがるのは常連の性かと。
少し前でしたか、突然ひとりで入ってきたヒップホップ系ファッションに耳や鼻に金物アクセサリーいっぱい付けた、見るからにやんちゃそうな面構えの若者。クラブで踊ってても、立ち飲みにはまず来ないであろう人種。
常連のおじさんたちもチョット気になっている中、おもむろに酎ハイを注文。この店では酎ハイを頼むと、氷と焼酎の入った大きめのグラスと一緒に「サワー」という柑橘風味の炭酸の瓶が出てくるのですな。若者がいきなりグラスにサワーをドボドボ全部注ぎだして、左右の常連さんが止めにはいるという。
実はこのサワーにはカラクリがあって、瓶の半分だけ注ぐとちょうどいい具合の一杯目。飲み干したら焼酎だけ頼んで残りを注ぐと二杯目が出来るという。
酎ハイ300円でサワー付き、二杯目は焼酎だけなので180円。合計480円で酎ハイが二杯飲める酒飲みに優しい格安システム。サワーひと瓶で無理矢理3杯飲もうとする強者もいらっしゃいますな。(笑)それをいきなり全部注いじゃおうとしたので周りの常連さんが止めたというわけ。

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これをきっかけに何だか楽しい盛り上がり、若者は話をしてみると、至ってまじめな青年でした。人を見た目で判断してはイケマセンな。建築現場の仕事で東京から来ているそう、串カツの看板を見て入ってきたそうで、もりもり食べてました。
店の大将「明日の仕込み分まで食わんとってや」と涙目。必死で串を刺してましたな。(笑)しばらくしてお店に行くと、「あの子、次の日も来て、串カツ食べて行かはったで。」と店のオカアさん。よほど気に入ったのでしょう。
たかが立ち飲み、されど立ち飲み。細く長くお付き合いしていると、色んなハプニングにも遭遇します、それも全部お酒の味わい。
手軽で気取らず格安で楽しめる、酒飲みのパラダイス。立ち飲みはいいなぁと、改めて思うのでありますよ。

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コメント

父はお酒を飲みませんが、会社勤めで同僚と寄る事も
多かったそうです。こんばんは、あんみつです♪
よもかめ亭主さまと違い、父が常連客になれるはずもなく、
ただ飲んでいる同僚の話を聞いていたそうです。
母は家でガブガブ飲んでるタイプですcoldsweats01

投稿: あんみつ☆乙女 | 2016年5月15日 (日) 19時08分

よもかめ亭主様、こんばんは♪
立ち飲み…楽しそうな世界ですね~。そういうワタクシはほぼ毎日飲みますが、ひとり台所の隅でヤンキー座りしながらという、しゃがみ飲みでございます。はい、やさぐれ主婦です(笑)
きっとワイワイ飲むのも楽しいと思うんですが、ひとり飲みながら写真の事を考えてテンション上がり、カメラをなで回すいじり回すというオタクな生活をしております(^^;

投稿: び~ | 2016年5月15日 (日) 21時35分

よもかめ亭主さんお久しぶりです、自分中学生の頃新聞配達してた頃酒屋の片隅で、おじさんたちが缶詰肴に飲んでましたね、時々魚肉ソーセージ貰ったりしました(笑)

投稿: ヒロシ | 2016年5月16日 (月) 06時33分

ヒロシ様、こんばんは。
缶詰、魚肉ソーセージ、ちくわ、スルメは立ち飲みのマストアイテムですね。からだに悪いものがいっぱい詰まっているのが美味いのです。(笑)

投稿: よもかめ亭主 | 2016年5月17日 (火) 00時00分

あんみつ☆乙女様、こんばんは。
同僚にお酒は全く飲めないのに、酒場の雰囲気が大好きな奴がいます。酒場ってチョット日常から逸脱した異空間なので、そういうのを楽しむのも有りなのかなぁと思った次第。

投稿: よもかめ亭主 | 2016年5月17日 (火) 00時01分

び~様、こんばんは。
私もほぼ毎日飲んでおります。年齢考えると改めなくてはならないのですが、お酒は私のガソリン、若いときはハイオク満タンでしたけど、今はレギュラー1000円分だけ。(笑)基本お酒は一人で飲むのが正しいと思っておりますので、立ち飲みはなじむのですね。行きつけのお店は、おひとり様で放っといてくれるところばかりになりました。そういうところでブログのネタや、写真やカメラのことを考えているのが楽しいわけで、「オタクな生活」と書いておられましたが、これは「贅沢な至福のひととき」と言い換えた方がよろしいかと。

投稿: よもかめ亭主 | 2016年5月17日 (火) 00時03分

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