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2015年9月26日 (土)

レストランBOON(ブーン)のドレッシング

神戸のトアロードにBOON(ブーン)という名のレストランがありました。子供の頃、誕生日やクリスマスのような特別な日に、家族でお出かけすると連れて行ってもらっていたレストラン。
特別な日だと思ったのは、そういうときには普段とは違うよそ行きの服を着せられたからだと思います。「今日はあのレストランに行くから、ナイフとフォークでご飯食べなアカンねんなぁ」と子供心に思ってました、左利きなのでナイフとフォークが苦手だったからなのですけどね。(笑)
時代は高度経済成長期、父親は仕事人間で土日もほとんど家にいなくて、遊園地に連れて行ってもらうのも母親とばかり、レストランに連れて行ってくれたのは、普段働いてばかりで子供のことをかまってやれない父親の罪滅ぼしもあったのかもしれません。
特別な日は、車で三宮か元町までドライブ、もうパブリカからコロナに乗り換えていた頃だったと思います。乗り物酔いがひどかったので、着くまでは苦痛でした。
着くと、大丸かそごうでまずお買い物、母親の買い物は時間がかかるので待っているのが退屈で、弟とデパートのおもちゃ売場を探検してましたな。その後にやっとお楽しみの星電社、プラモデルを買ってもらうのが一番の目的でした。大きなプラモデルの箱を抱えて行く先はコスモポリタン、ガラスのショーケースにきれいなチョコレートが並んでいる洋菓子屋さんでミントキャンディーを買ってもらってました。
お買い物がすむと、いよいよレストランで晩ご飯、ややこしそうなお店が並ぶガード下を抜けてトアロードを山の手に。細い階段を上がったところにあったブーンは子供心にお行儀よくしていないといけないようなチョット緊張する場所でしたが、頭を短く刈り上げた、いつも笑顔の黒服を着たウエイターのおじさんがいて(あの頃はギャルソンなんて呼び方はまだしてませんでした)相手が子供でもキチンと料理の説明をしてくれ、ナイフとフォークの使い方も教えてくれました。子供だから教えてくれたのかもしれませんけどね。
父に当時の記憶を辿ってもらったところ、コックさんは文蔵さんという方で「文さん」と呼んでいたそう、自分の名前から取ってレストランブーンにしたそうです。これは全く知りませんでした。
料理はどれもビックリするぐらい美味しくて、特に仔牛のステーキにチーズが乗ったのが好きでしたな。確か仔牛の○○風とメニューに書いてあったように思いますが、○○のところが思い出せない。(笑)
とろけるチーズが出始めた頃、母親がマネして作ってくれましたが、似ても似つかぬものでした。どう逆立ちしたってブーンと勝負にならないのにチャレンジャーな母の一つの愛情だったのでしょう。
美味しい食事の後はデザート、実はこれが一番の楽しみでした、なぜかはっきり覚えています。脚の付いた銀の食器に盛られた三色のアイスクリーム。バニラ、イチゴ、チョコだったと思いますが、こんな美味しいアイスクリームは食べたことなかったですな。
弟はいつも三宝柑のシャーベット、今では珍しくもありませんが、果物をくり抜いた中にシャーベットが詰まっているというのが子供心に画期的でした。半分こして食べたのも今となっては懐かしい思い出です。
ブーンでもう一つ美味しかったものがありました、それはサラダにかかっていたオレンジ色のドレッシング。今でこそドレッシングは星の数ほど売り出されておりますが、まだマヨネーズか塩を振って食べるのが普通だった頃、サラダが別物になってしまう魔法のドレッシングでした。後にレストランブーンのドレッシングとして売り出されたほど。
ブーンはその後、いろいろな経緯があったようで、飲食店経営会社のチェーン店になってしまい、面影の全くないファミリーレストランに、確か神戸駅の地下の飲食店街にもあったように記憶していますが、もう行くことは無くなってしまいました。今は無きブーンですが、私にとってはレストランの原点のお店だったのです。
今回記事を書くために、ネットで調べてみたのですが、思わぬ収穫がありました。あのドレッシングを再現している方が何人かおられたことです。
これはもう作らなくてはなりません。早速レシピを見比べて検討、これぐらいがベストかなという分量を割り出して作ってみたところ、確かにこの味だったと思えるものができました。子供の頃の記憶なので、バッチリ同じ味になってないのは承知の上ですが、ニュアンス的にはほぼいけたかなと。もうサラダにかけまくってワシワシ食べてしまいましたよ、懐かしくて、涙出そうでした。(笑)
で、ここまで読んで、イッチョ作ってみたろか、と思われる方がひょっとしたらいるかもしれないので、我が家で作ってみたレシピを書いておきます。

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キャンベルトマトスープ缶 50cc
サラダ油 50cc
酢 大さじ2 1/2
砂糖 大さじ1
しょう油 大さじ1/2
ウスターソース 大さじ1/2
塩 小さじ1/2
コショウ 小さじ1/4
パプリカ 小さじ1/4
マスタード 小さじ1/4
玉ねぎ 中サイズ1/4 みじん切り
セロリ 根元部分なら3cm長さ、先の方ならそれと同分量をみじん切り
にんにく 1/2片 みじん切り

以上の材料を、全部ミキサーにかけるだけでできあがり。ミキサーのない方は、玉ねぎ、セロリをすり下ろして混ぜればいいかと思います。再現された方の記事に二三日置くと味がなじむとでていましたが、確かにそうでしたのでそれも併せておすすめします。
どんな味?って言われてもうまく言えません、私にとっては魔法のドレッシング、これが我が家で再現できるとは思っても見ませんでした。ブーンの思い出とともにこのドレッシングは我が家の定番になりそうです。

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コメント

私もお店を探していました。昨年、夏に神戸を訪れた際に行ってみようと、父の形見である「神戸味覚地図」創元社編集部編の当時のグルメ本を紐解き、グーグルマップで探しましたが、建物は残っているようですが名前を確認出来るものはなかったです。ビーフストロガノフがお勧めと書いてありました。私はよくBOONでスープの皿を斜めにして都合よくスプーンに納めようとするとき、こぼしていました。当時は5歳ぐらいかと思います。ドレッシングがおいしかったのですね。作って味見してみようかと思います。ちなみにお店の語源はマスターの名前がブンさんであると記載されています。

投稿: 文 | 2016年1月 3日 (日) 01時55分

文様、あけましておめでとうございます。さらに、はじめまして、コメントありがとうございます。
レストランブーンは父が公私共によく利用していたようで、この記事を書くにあたっていろいろ聞きましたところ、マスターというかオーナーシェフだった文蔵さんのフルネームや経歴のことまで教えてくれました。個人情報ですし記事内容には直接関係がないので載せませんでしたが、いろいろ懐かしい話が聞けました。チェーン店になってしまってから父親が行かなくなり、それっきりになりました。どうやら名前だけ同じで全く別の店だったようです。タイムマシンがあったらもう一度ブーンの料理とコスモポリタンのチョコレートを味わいたいです。

投稿: よもかめ亭主 | 2016年1月 3日 (日) 09時44分

私も大好きなメニューでした。
仔牛のカツレツ、ノルウェー風だと記憶していますが。。。
私もおめかしして両親に連れて行ってもらったことを覚えています。
ウェイターさんが私を大人扱いしてくれてきちんとナイフとフォークを出してくれておもてなしをしてくれた大好きなレストランでした。
私もデザートも楽しみでした。また食べたいなぁ。

投稿: ショコラ | 2016年9月11日 (日) 19時59分

ショコラ様、はじめまして、こんばんは。
ノルウェー風でしたか、記憶が曖昧で、思い出せなかったので助かりました。ありがとうございます。他にもまんまるのコロッケにインディアン何とかって名前が付いていたような。これもハッキリ思い出せない。(笑)
チェーン店になる前のブーンは本当にいいお店でした。コメントありがとうございます。今後とも宜しくです。

投稿: よもかめ亭主 | 2016年9月11日 (日) 20時34分

レストランブーンのお話、懐かしく拝読しました。
ブーンのマスターから伺ったお話を1つ。
マスターは飛行機が大好きで、そのプロペラ音のブーンという擬音から
このお店の名前をイメージしたとも言われていました。
テーブルの横に立たれたマスターから直接伺った逸話です。

投稿: ためちゃん | 2017年1月20日 (金) 11時20分

ためちゃん様、初めまして、こんばんは。
ネットで調べていてもブーンの情報は少ないのですよ。貴重なお話ありがとうございます。私は小学生の頃に連れて行ってもらった記憶しかないので、それをたぐりながら書いた記事なのですが、意外とコメントを寄せて下さる方がいて知る人ぞ知る名店だったのだなと改めて思いました。今後とも宜しく。

投稿: よもかめ亭主 | 2017年1月20日 (金) 23時08分

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